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madamkaseのトルコ行進曲

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 marnon1104@ お久し振りです (。≧ω≦)ノ!! kaseさんのお誕生日だったのですね。 お元…
 marnon1104@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) kaseさん、こんにちは(*'▽')♪ …
 madamkase@ Re[1]:渡航記念日(03/16) 高見由紀さんへ こんにちわ、イスタンブ…
 madamkase@ Re:渡航記念日(03/16) marnon1104さん、こんにちわ。 3月に書い…
 madamkase@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) ひなのさん、おひさしぶりです。 トルコは…

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2017年12月10日
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【 12月10日・日曜日】


 ずっと泊めて頂いているのに、家にほとんどいつかないのでは申し訳ないし、日曜日の朝は正直なところやや歩き疲れているのを感じました。両脚の膝の後ろあたりが痛みを覚え、朝、目覚めてしばらくの間、ベッドの上に座り込んで足を投げ出し、暖房器の側面に足の裏を押し付けて温めながら、ふくらはぎや大腿四頭筋を揉んだり指圧したりして改善に努めました。

 日曜日は朝遅くまで寝ている、と言うのがトルコの人の常なので、私も部屋の中で時間をつぶしながら家人が起きてくるのを待ち、やがて朝食が始まったころ、結婚して近くの地区に住んでいるアブデュラーさんの妹さん2人も息子や娘たちと実家に到着しました。今日はお父さんを入浴させ、そのあとは一家団欒、大広間に集まって編み物をしたり、お喋りをしたりチャイやコーヒーを飲みながら好きなように過ごします。

 ミヤセさんは近々服飾関係の展示会やシンポジュウムの準備に原稿をこしらえ、それを文書のフォームに合わせて書き込んでいく仕事を抱えているので、姪でもあり大学の教え子でもある若い娘たちに手伝わせながら、文書作成に大わらわなのでした。私も前日も翻訳をした原稿の続きを、同じ賑やかなサロンで気が散るかと思ったらかえって集中出来て、半分以上を終わらせることが出来ました。

 やがて若者たちがどこかへ出てゆき、その他の大人たちはそれぞれの論文や編み物や、その他もろもろをこなしながら夕食の時刻を待っているのでした。しばらくすると、サロンの中に深い鍋を持った若者たちがワイワイと賑やかに入ってきました。手に手に、マンガル(バーベキュー)で焼いた肉や鶏、トマトやナス、玉ねぎやしし唐などの入った鍋やボウルを運んできたのです。

 それは私には初めて見る光景でした。みんなそれぞれに大皿を持って、アイセルさんやアイシェギュルさんが食べ物を分けるのを手伝い、忽ちのうちに広げたテーブルの周囲にみんなが着席し、私の分も若い子が運んでくれて、食べきれないほどの量です。隣に座ったアブデュラーさんの上の息子ハリム君に「少し手伝って」と言うと「ゆっくり食べれば大丈夫ですよ、さあ、食べ始めましょう」とニコニコしながら言うのでした。

 本当に私はすっかり食べてしまいました。こんなに大勢で食べることも初めてだし、この家ではみんながみんな、ちゃんと自分の役目を持っていて、互いに強く深い愛情で結ばれているのがわかります。家族関係ですら希薄になりつつある昨今、いまも一家の長であるおじいちゃん「ハリム・チャーダッシュ」さんの周りには、今は年老いたとはいえ何十年も家長として家族を守り、教育を受けさせ、生活を保障してきた父の祖父の厳しくも愛情に満ちた恩恵を受けて育った人ばかりがいるのです。

 それを受け継いだアブデュラーさんは、一家にいくら財産があろうと、父親が働いている姿を子供たちに見せなくてはいけない、とタクシーのハンドルを自らも握って毎日を過ごしているのだそうです。本当は、タクシーのナンバーを何枚か持っていれば、それを貸して自分は働かなくても悠々自適に過ごせるのです。
しかし、これは父のハリムさんから身をもって学んだ父親の哲学なのでしょう。そしてみんなが家族の一員であることを自覚し、助け合い、嫁姑の争いもなく、アイセルさん以下4人の姉妹はメラハットさんを本当の姉妹以上に大切に、仲良く暮らしているのを見ると、こうした家族の鑑のような一家と知り合えて、それもコンヤのメヴラーナのお膝元に暮らす人々であるかと思うと、たいそう感動を覚えるのです。

 毎日食事の支度も後片付けもしないで、ご馳走になっているだけでは申し訳ない、と私もテーブルの上の調味料などを片づけようとしたりすると、「加瀬ハヌム、どうかゆっくりしていてください。あなたはもう、わが家の一番年長の、大事にされて当たり前のお姉さんなのですから」とアイセルさんやミヤセさんが言ってくれるのを聞くと、幸せってこういうことだな、とまたまた胸がいっぱいになるのでした。










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Last updated  2018年01月31日 22時31分53秒
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