madamkaseのトルコ行進曲

2021/03/16(火)00:10

渡航記念日

やってよかった/やらなきゃよかった(104)

​​​2021年(令和3年)3月14日(日) トルコに移住してから26年経ちました。 26年前の今日は、52歳の私が愛犬ビクターを連れて、夕闇迫るイスタンブールのアタテュルク空港に、不安と期待のない混ざる、張り裂けそうな思いで降り立ち、生涯を賭けた大冒険の第一歩を踏み出した、忘れ得ぬ渡航記念日です。 かぁちゃん行くなよ、と最後まで引き留める息子に成田空港まで送られ、モスクワで給油のトルコ航空直行便で15時間後にやっと到着、出発前日に娘の会社のファックスに送った、漫画のような絵の原稿が数日前に古荷物から出てきました。本日はあいにく厳しい外出禁止令が出ているので、朝食も目玉焼きなど焼いて独りで祝います。 明日からはトルコ暮らし27年目に突入です。皆様、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。 madamkaseこと 加瀬由美子 ​​出発前日に私が娘の会社に描いて送ったファックスの絵。こんなことをしていると不退転の決意で旅立つ人には見えません。根はとことん、楽天家なのでしょう。​​ 去年の初めころから中国の武漢市で発生したと言われる新型コロナウイルスは、その後瞬く間に世界中に広がり、正体や対策のわからない疫病として不気味な影響を及ぼしているため、トルコの政令で厳しい外出禁止令が出されています。私も朝から家に閉じこもって、朝食に目玉焼きでだるまさんの両眼にたとえ、無事に26年過ごせたことをお祝いしました。 ​​夕方になってからせっかくの日曜の夜​、手間暇かかるけれどもやっぱりかせ餃子を 食べたいと思い、キャベツ、白菜を茹でてみじん切りにし、玉ねぎ、青ネギの青味 部分は生のままでみじん切りに、にんにくと生姜もたっぷり擂りおろし、挽き肉は 練って練ってまろやかにし小粒の鶏卵2個、片栗粉、塩、胡椒、鰹節だしを加え、 前夜カットして置いたユフカにくるみ、味見に2個ばかり焼いてみたら、目分量で バッチリ求める味になっていました。自作の手揉みほうじ茶で、渡航記念日の夜を じっくりと味わいました。それにしても、ちょっとたべすぎですね。反省!6匹の猫たちにも、夕飯にドネルケバブの切り落としをたっぷり混ぜた餌を与えた ので、全員おとなしくソファーで寝ていて、くれくれ​オグリも膝にしがみついて来ませんでした。それに猫たちのソファーが、こんなに素晴らしい新品同様のもの になったのです。​ わが家のボロボロだったソファは、2月の中旬にウスタさんの奥さんが、自宅で 必要のなくなったベッドカバーをプレゼントしてくれたので、持ち歩きの出来る 小さなミシンを持って来て、ウスタさん自らが元のソファの形に合わせて裁断し、 何日かの間にこんなにきれいな新品同様のソファにしてくれたのでした。同じ生地で、猫足型の腰掛もカバーを縫ってくれたので、こんな風に6匹の猫たち もおとなしく寝るようになりました。 トルコに来て26年、過ぎてしまえばあっと言う間だったような気がしますが、やっと開いたレストランを横取りされたり、その次に開いた海を見下ろす絶景のレストランは開店半年後1998年6月半ばに、家主のホテル側が貸してくれた、メンテナンスをしたことなしという古い冷蔵庫のフロンガスが大爆発、新築のレストランそのものが雲散霧消、バラバラになって隣近所の屋根の上に吹き飛ばされてしまい、何ヵ月も営業出来ず、やっと改築して営業再開しても、「また爆発するかもしれない」と風評が飛び交い、客足はすっかり途絶えてしまいました。しかも、1999年8月17日にはマルマラ大震災で高いビルの上なので危ない、と思われて、毎日閑古鳥の鳴かない日はありませんでした。マルマラ大震災のあと、10月19日のまだ明けやらぬ早朝、日本政府から派遣された海上自衛隊の巨大な護衛艦おおすみ、補給艦ときわ、掃海母艦ぶんごの3隻が、500戸分のプレハブ住宅を飛行甲板に積載して、イスタンブール・アジア側ハイダルパシャ貨物専用埠頭に到着、4日間停泊し積み荷を降ろして、トルコに大きな福音をもたらしてくれたのだでした。その日の夕方、補給艦ときわのボイラー科の乗務員さんたちが、ガイドブックで探し当てたというかせレストランを7~8人ずつ交代で訪れてくれて、夜の客のめっきり減ってしまった店に、干天の慈雨ともいうべき潤いをもたらしてくれたのでした。心から感謝しています。10月23日早朝、まだ朝霧の晴れないうちに、3隻の巨大艦隊は粛々と黒海を目指して船出して行きました。 私には今のところまだ、著書としてはたった1冊の単行本「犬と三日月 イスタンブールの七年」があるのみですが、死ぬ前にまでにせめてもう一つ、トルコを舞台にした小説を書きたいと思っています。人間万事塞翁が馬、でも、こうして数々の窮地に陥った事件を振り返ってみると、私を救い出すものは、結局のところ、自分の地道な努力だけしかないのだ、と言うことを悟りました。いま、Covid-19という前代未聞の怪物のような伝染病に汚染されてしまった地球。どんな国際的イベントでもみんながみんなマスクをかけている映像や写真を見るたび、異様なものを見ている気がします。でもこれも、自分を守ることがすなわち家族、地域、自分達の街ひいては国を守ることであると、トルコに住んでいろいろな事件に遭遇した私の思いはそこに行き着くのです。それにしてもコロナ禍が早く終息して、自由に祖国との間を往来したり、旅行に出かけたい。日々、願いはそればかり。地球に平和な日々が早く戻ってほしいです。  ​​

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