1780152 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

夢みるきのこ

夢みるきのこ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

2005年05月24日
XML
カテゴリ:アラカルト
 キノコ市場の水面下での戦いを密着取材した番組。主力新製品開発で一躍市場占有を達成したメーカーが、その達成感にひたるいとまもなく数年で価格競争に巻き込まれ誰もよろこばないシステムに組み入れられていく様子を克明に追った秀作でした。キノコは伝統的な青果食品とは異なり顧客の頑固な思い入れもなく工業化がいともたやすい商品で、当たれば大もうけできる可能性が高く夢の野菜といえます。50年代のシイタケ、60年代の暗室エノキ、70年代のブナシメジ、80年代のマイタケ、90年代のエリンギ、そして21世紀バイオのホンシメジ、マツタケ。とキノコブームの遷移を10年単位でうまく表現していました。ただ、このブームの通奏低音を成してきたキノコの主役はヒラタケだったことは忘れてなりません。栽培キノコの王様はなんたってヒラタケだと私は考えています。ホクトの成功の秘密はヒラタケ栽培のノウハウを活かして改良されたエリンギを武器としたことです。しかし、ホクト、雪国まいたけの二大大手メーカーの熾烈を極める価格競争の陰でキノコ栽培農家が枯渇していっている現状にもふれていましたが、とても深刻な内容でした。ホクトの社長の雪国まいたけを意識した発言「この狭い日本で本来すみわけなんてあるわけないよ」といった意味の言葉がちょっと気になりました。栽培農家というゲリラの存在がまったく見えていない。そこへ新たに参入してきたのがタカラバイオ。栽培ホンシメジに続き、ここ数年で、マツタケの人工栽培を可能にするとの酒井武さんの言葉。糞生菌のウシグソヒトヨタケの環境耐性のもととなっている遺伝子をゲノム解析を終えたマツタケに取り入れて人工栽培を可能にするというニュースはすでに去年ころからしばしばマスコミをにぎわせていました。ただ忘れてならないのはマツタケの付加価値が栽培できない超レア商品であることに乗っかったものであること。市場に安価で出回ると果たして売れるかな?。あの香りを受け入れうる世代も棺おけに片足つっこんだ世代で若い世代の大方は不快感すらもっています。栽培ホンシメジもそうですが、自然界のホンシメジとは似ても似つかぬものですから、いっそのこと工業製品として、バイオシメジやバイオマツタケとして売れ出せばそれなりに団塊ジュニア世代の食卓をにぎわすものになるかもしれませんが、自然界のキノコになじんできたものにとっては「消費者を馬鹿にするのもいい加減にしろ」といったものでしかありません。いずれにせよ寒々しいかぎりの業界戦争のレポートでした。いや、痛々しいといつたほうが適切な表現でしょう。
最後に役所こうじが「熾烈なキノコ戦争の結果、実にさまざまなキノコが口に出来るようになりましたがうれしいような、でもちょっとさみしいような気がしてなりません」としめくくっていたのは視聴者の共通の思いであったように思えます。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年05月24日 23時43分14秒
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X