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カテゴリ:きのこ星雲圏 (俳句メモランダム)
昨日はギャラリーで盛り上がり、ごぜんさまでこのページのノルマは果たせず。 今朝、田植えの終わった田や田植え最中の田を見ながらの出勤で、田の面をわたる風を感じつつ上空を見ると鳶がゆるく円を描いて回っている。そのときふと思ったのは鳶は私が感じている水田の矩形がもたらす爽快さとはおそらく無縁だろうということだった。彼が唯一見ているのは生産とは無縁の、いのちをつなぐための生き物・カエルやヘビであろうということだ。 鳶と同じ生物界から抜け出したヘルニア的存在の人間と他生物とのギャップはつねにこうした視点の相違にはじまる。環境問題の基本は人間という存在が生物界ではヘルニア(はみだしもの)だということの自覚から始まる。たまたまこのヘルニア的存在のパンツをはいた猿が、言葉という武器をもって生産手段を磨き、富の蓄積を手に入れ、優占種となったことから地球の汚染がはじまったことは事実で、富の分配システムを構築する際にそのもてる智慧を十分に生かせなかったことから今日的状況がはじまったのである。重商主義時代の経済学者が欲望の充足を神のおぼしめしと規定して以来のことである。 話は変わるが、目にみえる微生物・きのこやカビによってようやくこうした生命圏に普段はめだたないが、営々と生産者と非生産者の間のギャップを埋める大いなる存在があるということに意識が向き始めたのが前の世紀の80年代であった。きのこのブームはそれぞれの無意識のうちにそうした存在を希求しはじめた証左でもある。きのこ大好きを自任するアマチュアは、そんなきのこの彼方に実在する微生物の意味を繰り返し喚起させるようなアートや文学による啓蒙運動を高めていくべきときが来ているのではないだろうか。 写真は人っ子ひとりいないある日の公園。イモムシの遊具があり、アリスの芋虫には程遠いがしばらく腰掛けて遊んだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年06月05日 10時04分25秒
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