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夢みるきのこ

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2012年05月01日
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カテゴリ:アラカルト

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            死者も生者もしばしおくつろぎいただきお話しいたしましょう

亡き父の意思を継いで細々と続けています北方異民族慰霊37年大祭、今年も無事斉了いたしました。礼状にかえてその意味の一端をここに。

想像力の問題

たとえば、原初わが国の神様は人間の制御できない凄いパワーを持った自然そのものでした。神さまは荒魂、和魂という禍いをもたらすとともに幸いをももたらす両義的なエネルギ-のかたまりだったのです。宗派、宗教の違いを超えて私たちにはそんな神様の二つの作用を無視できない心の動きを持っています。それを神社建築は物語っています。神社はどこへ行っても格子で囲まれ、狛犬が番をしている座敷牢のような様式を持っています。

それは人間の手に負えない凄いエネルギーをもった存在を野放し状態にしていれば、心休まるときがないことによります。だから神社では、皆が会いたいときにだけお呼びして向うから来ていただくのです。招魂の儀とはそうしたことをなぞったものです。自然崇拝をその根底にもつ日本人にとって死者や神様は私たちを守ってくれる存在であるとともに、ともすれば祟る可能性を秘めた畏怖すべき存在なのです。

昭和の日、過ぐる大戦で亡くなった無念の人たちをお招きし、死者と生者が相つどい碑の前で厳かに諸霊と慰藉の念をもって交感し、そして時過ぎればお帰りいただく、このあちらとこちらの世界の魂のパーティーをセレモニー化したものが慰霊祭です。

一方、先代宮司によりこの碑の場を提供していただいた護国神社は、明治以降の皇国思想によって生まれた新しい形の神社です。今次大戦後は、富国強兵の理想に燃えて国のために殉死した英霊や理不尽な戦争に巻き込まれて亡くなった決して浮かばれることのない諸霊を招いて、その死の意味を問い、思いを新たにする「場」がこの神社で、同胞のみならず異族に対しても開かれた世界で唯一つのこの碑には特別な意味があると私は思います。

「異」とはつねに当事者からははみ出る存在、所在なきすべてのいのちととらえましょう。

「永久平和は現実的ではない」と言う人はいつの時代にも多数を占め、極東情勢が日に日に緊迫の度合いを加える昨今、「右の頬を叩かれれば左の頬を差し出しなさい」というような態度は女々しいかぎりとして、愚かな政治家はそうした庶民の不満に油を注ぐ条件を探し虎視耽々ときっかけづくりを準備しています。しかし、間違ってはならないのは、真の政治家とは、荒魂・和魂の両側面をもった目にみえない巨きなものに突き動かされる人たちの正体を見据え、そこにこそ和魂を見出し育てる術を心得ている人たちのことです。

21世紀はあらゆる意味で、目に見えないものが音を立てて動きはじめる世紀です。それに対応する言葉はいまだ無く、ここでは論理に惑わされぬ生物的本能を優先すべきです。

この神社とよく似た構造物が石棺と言われる原子力発電所でしょう。そこはパンドラの函で、一度開くと魑魅魍魎が続々と飛び出し取り返しのつかない事態を招いてしまうのです。そしてこの怪物は神社の擬人化された神々とは全く次元の異なる代物で、誰にも制御不可能なのです。その事態が現実となった今も、国の命運を左右する立場の政治家たちは「世界における核利用の人体実験はわが国に任せなさい」と言わんばかりの愚行を重ねています。護国神社の境内にあるこの碑の存在を考えることと原子力発電所の稼働継続、そして大規模で理不尽な死を自ら招来する戦争遂行とは決して別次元のことではないのです。






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最終更新日  2012年05月01日 21時22分30秒
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