1780100 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

夢みるきのこ

夢みるきのこ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

2012年07月13日
XML

   飛鳥2012.7 (78)0109.jpg 

 高校、大学と山岳部生活を送り、よく「アホと煙は高い所に登りたがる」と言われたが、飛鳥の伝板蓋宮址で木のぼりする雨蛙に遭遇。「おお、あほカエルくんお前もか!」と感動した。と同時にてっぺんまで登りきった彼がその次に採る行動について思いをめぐらせていた。おそらくすごすごと降りてくることはないだろう。モモンガのごとくムササビのごとく飛翔ののち、ど根性カエルよろしくぺったんことなってカエル昇天をとげるのだろうと想像し、しっかりと見送ったことである。

     

  遊び心」と「常にちょっと背伸びを」はキノコブランドの人間の条件である。昆虫や植物は明快そのものの存在だが、夢みるきのこである人間はこうありたいという夢こそが現実で、その夢をみる主体は常に過ぎ去りしものでしかない。そして、人間は夢みることによって他の生物と異なる道を歩んできたのだ。この身体と心の乖離状態のまま、かろうじてバランスを保ちながら死へまっしぐらの存在が人間なのだ。

 「ちょっと背伸び」こそが人間の条件だが、常に大地を意識している点が賢(さか)しらな常識人と異なる点でもある。きのこと同じ大地に根差しながらちょっと背伸びする人間は、得体のしれない「原子力平和利用」などどんなに美辞麗句で飾られようと地球上のあらゆる生きものの未来を断つものとしか映らない。ちょっと背伸びして自然をしっかり見つめつづける人は、ロケット級の跳躍・飛躍をして信じてもいない明るい未来を語る人の嘘をいとも簡単に見抜くことができる。なぜなら、僕たちは草や虫けらと同じ価値の生きものだからだ。きのこは人間の欲はまかり間違えばきのこ雲にもなることを幾度も訴えてきた。政治家たちは列島ぐるみの核実験が行われる度に、もう決してやりませんと言いつつお金の輝きに目が眩み恥の上塗りを重ねてきた。「すこしは賢くなれよ、いや間違った、もっとアホになりなさい。」

 僕がかけがえのない友と思い、つきあっている人は「跳んでイスタンブール」とはならないが「常にちょっと背伸び」を心がけている人たちだ。それは言葉を変えれば「青春性」とでもいえよう。永遠の青二才、世間からは時折り「アホではないか」と疑われるほど真剣に青(あほ)でありたいと思っている人たちだ。そんな徹底した青二才が夢に忠実に生きて破綻をきたさない世界を実現したいと願ってきた。青(あほ)は単独なら生きにくいが、手と手をとりあってそれぞれが夢の実現のためにさまざまな分野で楽しく没頭するという労働行為が生活をも少しずつ豊かにしていくシステムづくりを果たす。これが僕の考えるアート&クラフツ運動(ヘテロソフィア・アート・ム―ヴメント)だ。今年から僕の頭の中で動き出したきのこシアター構想とは、そうしたアート&クラフツ運動のビジネスとしての可能性をいよいよ本腰を入れて追求していくことに他ならない。

 僕にはきのこ好きの仲間もたくさんいるが、きのこの彼方へと自身の想像力を膨らませることのできる人、すなわちきのこの世界でも「常にちょっと背伸び」のできる人というのは実に少ない。これは僕にとっては不幸と言うほかない。きのこの世界は実に落し穴が多く、かつきのこ好きのほとんどはその落し穴にはまることで安堵するからどうしようもないのだ。せっかくきのこのような21世紀型の面白い生きものをめでる趣味を持ったのだったら、せめて国際的に通用する洗練された文化人になってほしいものだ

  J-FAS日本キノコ協会を起こして1年後、1993年の「但馬理想の都の祭典」の和田山食文化プラザできのこの企画展を任された際に、僕は半年間の会期中、僕の理想として会場に「きのこ憲章」を掲げた。吹き出しそうな内容ながら僕自身は大まじめだったので県職員も「そうなんだ」と妙に納得し、時の貝原県知事にも示したらしい。「ほう、神戸の市役所前にこんな協会があるのか」とのお言葉をいただいたと報告があった。

  1. キノコの前の一切平等主義

  1. キノコときのこを愛する人たちの基本的菌権の確立 

  1. 絶対少数派支援

  この思いはますます強く、今やその実現が待たれるのみとなってきた。手技、足技、心技を持った不揃いのきのこたちが不揃いのままに人生をまっとうできるアート&クラフツの共同体社会を目指して、いの豚生まれの僕は猪突猛進したい。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012年07月16日 22時02分56秒
コメント(0) | コメントを書く
[きのこシアターPROJECT] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X