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カテゴリ:きのこシアターPROJECT
能勢路のはじまりはいつもこの青葉木菟(あおばづく)の飛来する野間の大欅から。 妙見山奥の院へと続く野間地区は、このけやきのそばに物部を祭る野間神社があり、以下に述べる安徳天皇墓を江戸期より代々守ってきた墓守の在所の岩崎八幡神社、信太の森の狐のもうひとつの物語を伝える信田稲荷社もあり、この旅の1で伝えた能勢氏の山城址、菩提寺など、そのそれぞれに殖産民の秦氏、もののふの元となった物部氏の裔たちがその矜持をたもつために創作したいのちの虚実交々の伝承が散見され、さながら古代中世史のテーマパークを成して広がっている。
安徳天皇の小さな墓のある小山には岩崎八幡神社があり、この小祠の両脇には竜虎に乗った武人の像が脇を守り、その袴にはやはり物部の紋所、胸には菊の紋がきざまれている。
素通りするだけでは決して何も物語ることのない能勢・野間の台地
信田の森の狐伝説を伝える稲荷社へのとっつきと、その拝殿脇の宝筐印塔
さて、野間奥から信田稲荷社を経て人工湖の一庫ダムへそそぐ田尻川を越え峠道をたどると名月姫の墓がある。雨中のきのこたちと挨拶を交わしながら、かって開園まもない有馬富士公園で、J-FAS日本キノコ協会主催で「夢・自然・きのこの祭」を1ケ月に亘り開催した際、桝井亮くんの友人でアフリカのトーキング・ドラム(ジャンベ)の人たちの踊りと演奏で言葉に尽くせない位お世話になったその中心人物が能勢の国道173線添いにお洒落なログハウスのカフェ・気遊を営んでいると言うので立ち寄って旧交を温めた。そこではじめて知ったことだが、ムックきのこクラブや夜の顔同人の猿澤恵子さんや豊中のアトリエ・草(そう)の豊川さんと昵懇の仲だということを知り、つくづく世の中狭いものだと思った次第である。また、途中にあった名物豆腐の店でとてもしっかりした木綿豆腐を秋鹿酒造おすすめの醸造酒"能勢の四季"の肴にと買い求めて、よくばりきのこのグルメの旅的側面も充実して大満足。
名月姫の墓への小道のとっつきにはきのこ地蔵が待ち受けてくれていた。名月姫の墓はスギ林の中にとても風格のある墓域を展開しており、こんな機会でもなければ決して訪れることはないであろうところへ我々をともなってくれた井上さんに感謝。
人々の善意が育んだ種は素晴らしい実をむすび、新たないのちを世に送りだしていく。そんな善意のかたまりの人と人の輪が必ずやしみじみと心安らかになるきのこをつくりあげていく。そのとききのこはきのこであってきのこを超えたものになる。これは言葉をもった人にしかできないことである。新しい言葉でつながる人の輪こそが僕のきのこシアターの集大成なのだ。 さて、僕が夢みてきた人と自然の織りなすいのちのドラマを探り、再構築することで新しい人と自然の関係創造の糸口を探る旅もいよいよ佳境に入ってきた。 これら、きのこを通して育んできた新しい自然観に基づく文化創造を僕のライフワークとして、20歳過ぎより始まった永すぎた僕の晩年を、益々遊び興じて果てたいと考えている。 人あるところ、まだまだ続く<きのこを通して人と自然のありようを問い続ける旅>ではあるが、佐用郡南光町での旧友たちとの再会も果たしたことでもあるし、来春よりはいよいよ、現実化への努力を更に加速させ、僕の熱い思いを支えてくれてきた多くの友人たちを伴い、いのちのかぎり遠くまで運んでいきたいと思う。
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最終更新日
2013年09月02日 11時43分13秒
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