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カテゴリ:マダラーノフの独り言
チチアワタケ Suillus granulatus
チチショウロ Zelleromyces sp. アミタケ Suillus bovinus スッポンタケ Phallus impudicus ハツタケ Lactarius hatsudake改め、ムラサキイロガワリハツLactarius repraesentaneus 鏑射寺を辞して、急ぎ新しく見つけた湿原に向かう。湿原とはいえ、四周を花崗岩の岩でおおわれかっては松山であったところに遷移が進み雑木林となり、湧水が認められる窪地となったところだ。したがって大半は松林のキノコで占められている。 この松林のキノコ。実はマツの老齢化と環境汚染でこの四半世紀の間に徐々に少なくなってきて、今では惨憺たる有様である。したがってマツ林のきのこがまとまって発生する場所も、今では貴重なものとなりつつある。 貧弱なマツの幼木の下にはそのマツを懸命に守り育てようと必死のパッチでイグチ類(チチアワタケあるいは上の写真にツバをつけたヌメリイグチ)が出るが、それも翌年出ないことのほうが多く、マツも幼い姿のまま朽ちていくことが身近な自然ではほぼ常態となりつつある。 シバハリという地方名で愛されてきたアミタケに至ってはもっと深刻である。このきのこは健全なマツ林の地表に発生し、播州地方の人はマツタケに次いで愛してきたきのこであるが、かって、どこへ行ってもかご一杯になったこのきのここそはとんと見かけなくなった。 ハツタケにいたってはそれこそ致命的で、いずれ絶滅危惧種に指定されるのではないかと思われるほどの衰微ぶりである。緑青菌と呼ばれ傘の顕著な環紋と触れれば透明な乳液を出し、やがて暗紅色に変わり、ついには緑いろになることから名づけられたものだ。過乾燥の折から「生まれてはきたものの・・・」という言葉がぴったりな様子で私の前にたった1個体は、幼いままミイラ状態となっていた。小一時間経って、乳汁の変化をみたが、暗紅色のままで、ハツタケであることを疑ったほどだ。 このきのこ、ずっと気がかりで夢にまで出てきたが、ようやく思いいたりました。ハツタケではなく、僕にとっては初の顔合わせですが、典型的な種の特徴を備えたムラサキイロガワリハツ(通称:キイロケチチタケ)Lactarius repraesentaneusでした。 チチタケが土中に潜りトリュフなどと同様の地下性菌となったと取沙汰されてきたチチショウロだが、この生物の進化過程も分子生物学の成果で跡付けることができるようになる日も近い。 また、スッポンタケの大きな卵が同じ切通しに数個体ごろごろ顔をのぞかせていた。 秋のふかまりの中で、出会ったきのこはテングタケのグループのカバイロツルタケ、逝く夏を惜しむかのように顔をのぞかせたシロオニタケ、フクロツルタケ。キクバナイグチ、フウセンタケのクループのオオムラサキフウセンタケとニセアブラシメジモドキ、秋の毒きのこの代表種のクサウラベニタケなどなど。数週間前にはいたるところに顔をのぞかせていたベニタケの類はほとんど姿を消していた。 休日のひとときをこうした自然の中に身を置いてリフレッシュすることのできるしあわせを満喫して土星の美しい夕暮れの中を帰ってきた。
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最終更新日
2013年10月08日 00時24分07秒
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