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夢みるきのこ

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2014年02月04日
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 詩とは<在る>ことから逃げおおす行為の中にこそかろうじて見出せる幻影。途上にて見る夢のようなもの。型に合わせる努力からは詩とは無縁な世界しか立ち現れない。しかし、詩とは無縁に、言葉とも無縁に、生きてきた僕たちにとって、今ある自分からちょっと背伸びする場がほしい。それは俳人というステイタスからも逃げ切る場であってほしい。そんな思いが少しずつ熟してひとりふたりと集まってきて自身のなじんできた言葉の再検討をはじめ、5・7・5の型に想いを込める訓練からはじめ、短詩の極としての俳句でありながら、俳句形式そのものを脱する試みを続けている。その永遠の見果てぬ夢を希求する刻々の表現を僕はきのこポエムと仮に名付けてみた。      

 

        夜の顔不思議な俳句会 第41回 速報

2014年1月30日(木)午後6時~8時00分 なんば OCAT 4F

参加者 浅井惇介 扇進次郎 小川仁美 奥村彪生 菊池享 上阪康昌(鳳陽)

小宮久雄 猿澤恵子 澤山輝彦 土井英津子 森崎恭範 山中成利 佐田俊美

出句のみ   坂出達典(酔水) 高畑明子(たか女) 高峯きみこ 吉田光夫              
 

出席者13名、不在出句3名で第41回目が開催されました。

今夜の課題は「食」


寒の水しづむ豆腐の白さかな                恭範

さいしょはグー寄ってははじけ(かん)(すずめ)           進次郎

職安に食関連の職探し食いつめた冬           進次郎

佇めば墓地に風花(かざはな)沖光る                     恭範

 

ねぎらいの言葉を受けて冬木立                酔水
 

煮凝りや「イイイ」「ウウウ」と義太夫節            享

図書館の窓いっぱいに受験の子             たか女
 

心の動くゆっくりと冬の雲                   恭範

摩耶のまちは咲き終わった花の色が流れてくる     光夫

氷河期の時空漏れくる隙間風                惇介

物の怪も(うごめ)くけはひ四温光                  惇介

風花の空のむこうの空深く昼の星()ゆ         進次郎

老猫の見上げる目に負け抱きあやす           仁美

寒入日後ろに残しペダル踏む                恭範

和食学とは大根のいちょう切り                享

いつの日も終着駅は冬景色                  酔水
 

句を狩りに踏み入る詩境大枯野               惇介

大正昭和平成と父の終止符静雪の朝           恵子

あべこべの馬に迎えられ新年迎う            英津子

元旦は(はは)に味見と(ほぎ)の膳                   恵子

わが家は丹波黒豆鬼をうつ                 

白梅や笑み浮かべおり(ひと)想ふ               彪生

食ひ過ぎて寝返りを打つ蒲団かな             恭範

細胞と未来を開く若き(ひと)                   久雄

あれ食おかこれ食べよとて馬鹿を食ふ          彪生

衣食住少し足らずが幸せや                 久雄
 

知りません椿の花のひらくわけ白湯でもどうぞ     輝彦

仙人になれるか俺もSTAP細胞              成利

あの谷に霧が満ちてるペットボトルで取りに行こ    輝彦

月の日にキスもいいねと彼女云い             成利

はや二月「女性自身」は袋とじ                享
 

このところ食べると眠い冬眠のクマ化する冬     きみ子

深海に寒波は届くのかダイオウグソクムシ        俊美

 ◎すごいことになってきましたね。夜の顔不思議な俳句会◎  

                              マダラ-ノフ
 いよいよ言葉と自身の想いとが、ゆるゆるとつながってきた夜の顔ですが、俳句形式で俳句らしく詠めばよむほど、なぜか鼻持ちならない表現になってくるのも、さまざまな短詩と並べてみると相対化されてよくみて取れますね。17音で表現するときは思い切り俳句らしくない表現と言葉を選ぶようにしましょう。「夜の顔不思議な俳句会」の<不思議>の由縁は、その言葉、所属する階層、制度などすべてを断ち切ることで生まれる世界なのです。それが蜃気楼にも紛う詩空間を現出させる唯一の方法です。まずは形式を破り、自分の素性を蹴散らし、文化というパンツをかなぐり捨て生まれたままの姿・心となって、その心の底からもれ来る最小限の言葉を小さな器に溢れさせ、俳句とは言い難いが俳句としか言いえないものをつかみ取る。この時はじめて詩と呼ばれる何かが現出するのです。きのこポエムとは型を破る行為にこそ求められます。

 月1回の言葉遊びは「規則は破るためにある」の精神で臨んでください。この会場のスリルと興奮は、世代を超えて共感を呼ぶものですので、この会はやがて放っておいても注目を集めるものとなります。目下のこの会は、詩にはほど遠い世界ですが、モバイル文化でやせ細って骸骨化する言葉を身も心も備わった言葉に再構築していく試みの彼方に詩的世界を夢見て、どうぞ益々自由気ままに、ちょっぴり真実を滲ませながら、なんでもござれの作品で遊びまくりましょう。

※開催日は月の最後の木曜日です

次回日程・・・2014年 2/27(木)3/27(木)4/24(木)
午後6時~ OCATの4F大阪市立難波市民学習センターにおいて開催

 

 






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最終更新日  2014年02月04日 20時50分35秒
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