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カテゴリ:マダラーノフの独り言
楽書の壁あわれ也今朝の雪 蕪村 大寒へと向かう日々。雪ではじまる朝もある。今朝は午前中ぼたん雪が舞っていた。 雪つみて音なくなりぬ松の風 蕪村 仕事を早目に切り上げて帰ってきてまずはドミニカ・バラホナ産のコーヒーを飲みながら、冷えた身体を温め蕪村発句集をちらほらひもとき半ばうとうとしながら今朝の雰囲気にふさわしい雪の句を抜き出してくる。松籟の句はやや深い雪を思わせるので、目覚めると思いがけず一面の銀世界。そんな中で落書があわれを誘う壁が降り残されている冒頭の句が今朝の雰囲気かな。
雪中のクリタケ 水仙に狐遊ぶや宵月夜 蕪村 ここ数日来僕の蕪村への関心はキツネに注がれているが、そんな折もおり、蕪村の可愛い狐の句を見つけた。宵月夜とは三日月のことだ。水仙とたわむれる狐を繊い眉月がみつめている図だ。
蘭の夕狐のくれし奇南を炷かむ 蕪村 中国では、四君子の蘭と菊は狐をかくまうと言われていることから、夕迫る庭の蘭の香は、狐が与えた伽羅香木をたきしめたと思われるほどだかぐわしいとの意のようだ。 蕪村の狐狸にまつわる話好きには、尋常でないものがあり、狐の作品は僕がチェックしたものだけでも10数句が伝えられている。 ところでCoffee Breakのついでに、珈琲の話をすると最近、市販のコーヒーがどうも不味くなったと感じるのは、僕だけではなかったようだ。 それは、コスト高と市場の1/3の生産量を誇るブラジルが2011年の大干ばつ以来、豆が不足して高品質のアラビカ種の豆に低品質の缶コーヒーやインスタント・コーヒーに用いられるロブスタ種をブレンドすることを余儀なくされた結果だという。 なにはともあれ、ここ数年を振り返って、「歳月人を待たず」という感慨が一入である。
今は亡き母親と最後の旅で眺めた淡路島から四国を望む夕暮れ 本年も日々忙殺はいたしかたないが、一日一日をいとおしみながら暮らしたいものだ。
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最終更新日
2015年01月08日 17時20分15秒
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