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カテゴリ:マダラーノフの独り言
私のきのこゲレンデでは、アカモミタケのほかは秋本番のきのこたちの登場が随分遅れています。ちらほらのまま冬に入る予感。 クチベニタケも近年、随分すくなくなりました。 ヌメリツバタケが冬支度のため顔を出し始めました。 ヒヨドリジョウゴの赤い実だけが今年はことに目立ちます。 さて、今年の秋のアート世界での出会いは、2年に1度開かれる老松通りのベルン画廊での5人の作家による「物語の表現展」がとりわけ印象深かった。 この企画展も第10回目を迎え、生駒泰充、市川伸彦、大竹茂夫、松本潮里、水野恵理という力量あふれる作家たちの競演は、私の中ではとりわけ重要なアート展として位置づけており、通い詰めてきた。今回、新たに加わった松本潮里さんの作品は、とりわけ注目にあたいする。 松本潮里 「境界の扉」 松本潮里 「INSIDE」 松本潮里「遠い日の肖像-A」 と「遠い日の肖像-B」 昼と夜、光と闇、この明暗二つの世界を生きてきて、刻々脱皮を重ねていく少女をテーマにした作家は多いが、しっかりとした筆致で描き上げた松本さんの絵世界は現代性と青春性そのもの。今、売れっ子であるという意味もよく理解できる。 この5人展の中では、生き物世界を見事なタッチで描き上げて独自の世界を提示してきたおなじみ水野恵理ともども、観ていてとてもワクワクするものを感じさせる作品であった。 水野恵理「かげろう」 水野恵理「大きな魚」と「小夜曲」 この日は、作家たちも不在で、なかなか話す機会がもてなかった画廊のオーナーの松本敦氏と久々にじっくり話をすることができ、これがなによりの収穫だった。 帰り道、のどの渇きを覚えて、立ち寄った伴天連風の居酒屋でハイボールを飲みながらベルン画廊という非日常の舞台で演じられていた美の競演を反芻したことだ。が、ウミヘビかなと思いつつ見つめるともなく眺めていた目の前の灰皿が、なんとカタツムリ君をデザインしたものだったことが、なんということもなく無性にうれしくて、心に残ったことです。 さて、名残りの穂すすきも冬に入り、わがきのこ暦第4期8年の初年度も2/3が瞬く間に通り過ぎていった。か細い踏み分け道がいまだどこへ通じるかも定かならぬまま2017年の暮れを迎えつつある。あえかな月の光だけをたのみにここまでやってきたが、希望はある。 自然とアート、身体と心、頭脳と人工頭脳、という人間にとって宿命的ともいうべき二つの世界の生み出す虚実の世界の往還を繰り返し、随分長く漂流しつづけてきたものだ。 しかし、「月のしずく」という羅針盤もようやくわが意を得たる形に整いはじめてきた。 ごく少数の理解者と、ささやかな喜びを拾い上げ、それを綴り続ける喜びを共有し、今しばらくは歩み続けることといたしましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年11月17日 14時33分31秒
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