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2020年09月12日
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 奈良時代を代表する僧正・南都仏教の一流ブランド・義淵さんにゆかりの深い岡寺。奈良時代の僧籍にあるものはすべて義淵さんに教えを受けたとされるほどのブランド力だが、律令制度の中でしばしば僧綱の乱れを指摘され、長屋王らとも対立を深めていたといわれていて晩年は心休まることはなかったと聞く。義淵と良弁とのつながりもそこはかとなくはあるのだが、この20年は、幾度も前を通りながらも、飛鳥で解明すべき案件を多々抱えていた私は、一度も立ち寄ることはなかった。

 今回うん十年ぶりの岡寺詣で。炎暑の昼下がり、到着したのは良いけれど、教えられたドリンクの自動販売機は故障で、渇ききった体のまま、取り急ぎ苑内をくまなく散策。
目下の売りは日本最大、最古の如意輪観音塑像。

 ​僕の趣味から言えば、観音像は威圧的でないものを第一とすべしで、最古の塑像ということを勘案しても、僕のイコノロジー中でのランクは低い。​

 奈良・京都は、いたるところにおびただしい数の石仏があり、こうして堀り起こされては、寄せ集められている。私には、この救いがたい民草の、救われたいとする一途な思いの結晶の石仏になぜか哀れを感じてしまう。岡寺の御本尊より、なぜかこちらのような石仏に心惹かれてしまうのだ。

 しかし、なんといってもこの寺の存在理由は、龍蓋寺の名の通り義淵僧正が近辺の農地を荒らす悪龍を法力によってこの小池に封じ込め、大石で蓋をしたことに由来する。

 今回、私が興味を抱いたのは、ここから少し登ったところにある奥の院の石窟だ。

 小暗き石窟の奥に仏がほんのり浮かび上がる様は、来し方の暑熱を忘れるほどのものであった。

 さて、もうひとつの名物はこのオシャレな三重塔。ここからの明日香京の眺めは抜群でした。僕にとって寺院詣での楽しみは鐘楼撞きにあるのだが、ここは何度でもOK。十分撞いて留飲を下げてから、お礼に岡寺の線香2種を購入してきた。
 飛鳥でもこの寺は抜群に​集客力があり、それも私の足を遠ざけてきた理由の一つだが、今回はそうも言っていられなく訪ねてきた。
​​また​いつかか人気のないときにふらっと訪ねてみよう。





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最終更新日  2020年09月12日 22時10分31秒
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