018362 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ケース3



<ケース3>



─ 口から先に生まれた男 ─


その人は

仕事帰りに必ず寄る

身長180センチ、髪は少し茶髪でロン毛
茶色の目は
柴犬のような黒目がち

ジーンズにシャツ
どこからみても
若く見える

この彼がとっても曲者・・・


間違えて話を振ろうものなら


2時間くらいは話すだろう(汗)

彼は他のお客さんが来ても
そのレジが済むまで傍で待っている

中堅ハチ公のように
忠実な男だ(苦笑)


待ってなんて誰も言ってないの・・・
話が済むまで帰らない気なのね・・・


母から聞いた彼のデータ
大工さんで既婚者
しかも高校2年生の子供有り
年は38らしい


とにかく
駐車上に彼の車が止まるなり

私はバックヤードに
身を寄せる


しかし・・・
忙しい時はそうはいかない


彼に捕まった!

私は覚悟を決める

「今日は忙しかった~、なんせ親方がいなくて
俺ともう一人だけだったから」

聞いてもないのに話はじめた

私(心の声)
「あぁ~、始まっちゃったわ。今日は何分話すのよ?」


「大変でしたねぇ~」
社交辞令的な返事


「俺ね、今度車買い替えるんだ~。
なんにしようか迷ってるけど何色がいいと思う?」

私(心の声)
「おぃおぃ、私に聞かないでよ。」


「うぅ~ん、黒は汚れが目立つっていうしシルバーとか
いいですよね」
どうでもいい返事


「んでもね~、俺黒好きなんだ。前も黒だったでしょ。
だからね、今度も黒にしようかと思ってる」


私(心の声)
「決めてるなら聞くなっちゅ~の!」


「そうなんですねぇ~、新しいの買ったら見せてください」
ここはちょっとした軽い気持ちで
ついついうっかり言ってしまった

すると・・・
なにをどう勘違いしたのか

「いいよぉ~!是非乗ってよ」
にこにこしている(汗)


ほぇ??


私(心の声)
「私、見せてって言ったんだけど・・・
乗せてなんて一言も・・・(汗)」


はぁ~、勘違いさせてしまった

というか・・・
勘違いしないでよ(苦笑)


その日気分を良くした彼は
永遠一時間近くお店にいりびたった


車を買い替えた日

うちに来たのは言うまでもない(汗)








© Rakuten Group, Inc.