|
カテゴリ:カテゴリ未分類
白い父の遺骨は、まなこを射る程に美しかった。そしてそれにも増して硬かった。
物言わぬ遺骨が多くを語りかけてくる。我が息子二人と甥三人、父にとって五人の孫達も如何程のこの贈り物を享受しているのであろうか? 両手に余るほど、いやいや全身にあびる程受取っているのだろうか・・・・ カーン カーン カーン カーン カーン カーン・・・・ 棺に釘を打つ音が頭の奥深くで木霊する。 家の近くに落ちている石で棺の釘を打つと思っていたのに、以前は前もって釘を打つ物を用意しないのが風習だった。 それなのに、このたび父の棺を釘で打つのに葬儀社の用意した大理石をもって打つとは思いもしなかった。 しかも、最後に釘を打つ喪主である私に金色に染められた鉄鎚が用意されているとは意外であった。 でも金槌はほんに良く棺の釘が、打ち易かった。 カーン カーン カーン カーン カーン カーン スコン スコン 釘は棺に入っていった。 今 まさに 青春期に入っている五人の孫達は如何程の物を父の遺体から贈り物として受け取っているのだろうか・・・・・ 白い遺骨は仄かに温かい。落とさぬ様に竹箸で渡していく。 次はたぶん何十年後に?ほんとうにそうだろうか?もう少し早かったりして・・・・・ でも次代へのこの最後の贈り物は確り贈りたいなあ~ ふ ふ ふ 私は饒舌だから実際遺骨になっても本当に喋ったりして 「しっかり 受け取れよ!」てな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年05月11日 18時34分36秒
コメント(0) | コメントを書く |
|