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テーマ:ミステリはお好き?(1496)
カテゴリ:ミステリ
アガサ=クリスティの戯曲『アクナーテン』を読みました。アクナーテンとは古代エジプトのファラオです。高校の世界史ではアメンホテプ4世という名で登場しています、多分。
ツタンカーメンの親であり、クフ王などのピラミッドが作られた時代より、いくらか後の時代の王です。彼は、今までエジプトで信仰されていたアモン(アメン)神の信仰を廃止し、アトン(アテン)神の信仰を行うという宗教改革を行おうとした人です。理想と真理に生きようとする彼と、あくまで現実に生きようとする軍人、その二人の危うい信頼、政治的画策をする神官、といろいろな人の思惑・信念が交錯して物語はカタストロフィーへと進んでいきます。 たしかに、トリックが生きるミステリではなさそうです。しかし、最後の「殺人」に至る過程を描いたものととらえれば、やはりそれはクリスティ的でもあります。誰が最後の手を下すのか、といった点で。歴史ファン、クリスティファン、そしてミステリファンも楽しめる作品になっていると思います。 アクナーテン お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.12.27 10:31:47
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