2009/02/10(火)21:46
石堂寺…その3
石堂寺の参道です。
この空間大好き
朱塗りの仁王門をくぐると、苔むした石段が延々と続きます。
ぐるりとまわると、大きな水場があり、
さらにまわると寺務所へと出る階段と、本堂へ向かう階段に分かれます。
(ここを登ったところがその踊り場)
さらに石段を進むと、のぼり旗の立ち並ぶ空間右手に大きな神木があり、その上に本堂が待っています。
今回は本堂裏の尾形家から来てしまいましたが、
この空間も味わいたくて、わざわざ降りてみました(*^^*)
不思議なのですが…
(いやアレがあれなら不思議じゃないよな~)
…この石段の踊り場周辺から本堂への階段が最も清らか~であるように私には感じられます
しゅわわ~んといい気分
そうそう、『石堂寺の草鞋を借りると足腰が強くなる』といわれ、今でも仁王門に草鞋を奉納して健脚をお願いするのだとか
☆
ついでに石堂寺の説話を…
『仁王さまの蛭退治』
石堂寺の仁王さまは慈悲深く、夜ごとにお二人して村の田んぼの草取りをして村人たちを助けておりました。
ある日、女の仁王さまが足の痛みに耐え兼ねて男の仁王さまにそれを伝えました。
足にはべったりと蛭が吸い付き血だらけになっています。
男の仁王さまは急いで蛭を取り、踏みつけ、お二人で仁王門へと戻りました。
仁王さまたちは…
『あんなにむらがる蛭には、きっと村人たちも困っていることだろう…』
と考え、翌晩お二人で退治してまわりました。
おかげで、思いやり深い仁王さまの見える限りの田には蛭がいなくなったとのことです(*^^*)
※確かに石堂寺周辺には蛭が一匹もいないそうです。
『雀の親孝行』
ある日、一羽の雁が飛んできて、石堂寺の仁王さまに言いました。
『仁王さま、大変です小鳥たちの親が病気になりました』
それは大変
と仁王さまはすぐさま小鳥たちの巣へつかいを出しました。
小雀たちは、ただごとではないと、取るものも取らず親のもとへ駆けつけ、死に目に会うことができました。
ところが燕は身なりを気にして、念入りにお化粧してから出かけたため、間に合いませんでした。
そして遊び人(笑)の蝙蝠は、どこかに遊びに出たまま帰ってこず、親の危篤も知りませんでした…。
仁王さまは、小雀たちの親を思う心に感心し、それからは人間たちと同じ穀物を食べることを許しました。
遅れてしまった燕には、人間と同じものを食べることは許さず、実りの頃には遠い国へ流されることになりました。
また、蝙蝠たちは鳥の一族からも外されることに……^^;
☆
『丸一郷の犬』
長安山石堂寺には玻璃珠の塔という大切な宝物がありました。大きさはだいたい25cmくらいです。
(アショカ王の宝塔のことですね^^)
この大切な玻璃珠の塔がある日なくなってしまいました
みんなで力をあわせて探しましたが、見つかりません。
和尚さんをはじめ、坊主たちもがっかりしてしまいました。
すると、お寺で飼っていた白い犬がどこからか玻璃珠の塔を口にくわえて、もって帰ってきました。
一同大喜びで、以降この白い犬を大切にしたそうです。
そしてそれ以来、仏さまの功徳で、この地域一帯では、夏になっても犬に蝿が寄らないようになったのだとか…(*^^*)
以上~《安房の昔ばなし》より