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bandy's journey

~Kiss of life~

~Kiss of life~私とB.Dの出会い




マウイ、カフルイ空港に着くとチェックインカウンターには長蛇の列・・・
余裕を持ってラハイナのコンドミニアムをチェックアウトしてきたのだけれど、これは大分かかりそうだな・・・
私と女友達は、うんざりしながらもあれこれおしゃべりしたり、楽しかったマウイでの日々を思い出していた。
何重にも折れ曲がった待っている人達の列で、もうどこが先頭かも見えない。
私たちは、ひたすら前の人が動けば自分たちもそれに従って進む事を繰り返した。
どれくらい並んだだろう・・・
やっと、チェックインカウンターが見えてきた!
やれやれ、と残りの順番を待つ。
その時、背後から「日本の方ですか?」(英語)という声が聞こえた。
振り向くと、穏やかな感じの背の高い男性だった。
咄嗟に、「そうですよ、それであなたはアメリカの方ですか?笑」と答えた。


これが、私とB.Dが出会った瞬間です。
そうです、私が今人生を共にしようとしている人は、空港のチェックインカウンターでたまたま私の後ろに並んでいた人だったのです。
それから、私たちはマウイでそれぞれが訪れた場所の話をし、お互いのことを話したりしました。
アメリカでは、エレベーターの中でも、スーパーでもちょっとした会話がすぐに始まりますし、リゾートならばなおさらです。
私は、彼との会話もその一部として楽しみました。
そして、あれほどうんざりして並んでいた列だったのに、あっという間にカウンターに着いてしまいました。

私は、もうフライトまで時間がほとんどなかったので彼との会話を切り上げ、急いでチェックインを済ませました。
そして、チケットを受け取った私はゲート目指して走り出しました。
一瞬、「あ、彼に手を振ろう」と思い出しまだ列に残っている彼の方を走りながら振り向きました。
すると、彼は手に何かを持って渡したそうにしていました。
少し、ためらっている様子でもありました。
私は、彼のところに行き「お話できて楽しかった! 良い旅行を!」と言いました。
そして、彼は一枚のネームカードをくれたのでした。
そこで、むこうから「bandy,はやく!! 飛行機に乗り遅れるよ!」と友達の声。
彼に手を振って、ゲートへと急ぎました。

ぎりぎりで乗り込んだ飛行機の中。
マウイを飛び立つときは、いつも涙が出るほどさびしい。
小さくなっていくマウイの風景を見下ろしながら、手に持っていたネームカードを開いてみる。
彼の会社の住所と名前・・・え? 住所を見てびっくりした。
私の友達夫婦が同じ街に住んでいたから!
飛行機の中で、帰ったら彼に手紙を書こう・・・と思いました。
それから、ホノルルで過し日本に帰りましたが、旅行の後はいつも仕事が忙しくなるものです。
B.Dに手紙を書いたのは、それから少し後のことになりました。


B.Dは、私たちが出会った時のことを本当に不思議な瞬間だったと言います。
ずっと私の後ろにいた彼は、私の声と立ち姿しか見えないのに気持ちがざわざわして「何なんだろう?」と思っていたこと、列がもうカウンター近くになってきてやっと声をかけることが出来たこと、走り去っていく私に、今ネームカードを渡さなければ、もう一生彼女には会えないだろうと思い勇気を出して名刺を渡したこと、を後で教えてくれました。


私たちは、その後どれほどの手紙、e-mailを重ねたことでしょう。
しだいに、私はたった5分しか会ったことのない人を「missing him」と思っていて、そんな自分に驚きました。
こんな出会いが自分の人生に起こるなんて思ってもいませんでしたから。
みんな出会いはドラマを持っていると思います。
でも、B.Dが私の人生でこんなにも大切な人になった今、
「あの時、マウイに行かなかったら・・・」
「あの時、違う航空会社だったら・・・」
「あの時、並ぶ順番が違ったら・・・」と、思います。
そして、何かが少しでも違っていたら私たちは出会うことはなかったでしょう。
出会う事は出来たとしても、その先深く関わっていこうとすれば、言葉や文化の違い、距離という壁が現実にあり、ずいぶんぶつかったこともありました。
そんな中でも私たちの中には、「一分一秒違っても出会えなかったんだから、大切にしよう・・・」という気持ちがあり、今まで来たと思います。
これからもその気持ちがお互いにあれば、やっていけると思います。


3月、私たちは一緒にカフルイ空港のチェックインカウンターに並ぶでしょう。
彼は私の後ろではなく、私の横で手をつないで。




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