2006/11/03(金)23:40
お泊まり会(上)
5月4日。
今日はMAHO堂でお泊まり会。
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18:30。まずは夕食。
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「さあ、できたわよー」
と、りずむとこえだは、昼頃から二人で作っていた
パーティー料理を食堂室に運んできました。
庭で育てているハーブをふんだんに使ったサラダ、
よくわからないものをいっぱい煮込んだ、魔女特製スープ。
ライ麦のパン。
梅干し、納豆、冷や奴。
そして、ステーキ。
ほか、いろいろ。
「すごい色のスープだ」みなみは何故か目を輝かせています。
「うわぁ…」その隣で唖然とするみゅう。
「すすすすすっすすすすすすステーキ」よだれ垂らし放題のふぁみ。
「よだれ」こえだはふぁみに短く注意します。
「はぁい、じゃあ…」りずむは指を弾きました。
一気に消える明かり。
カーテンもシャッという音をたて閉まりました。
真っ暗な部屋。
きゃっきゃとざわめく五人。
「うふふ」
りずむがもう一度指を弾くと火花があがり、ロウソクに火がつきました。
色とりどりの炎。
「はい☆」
りずむが指を弾くたびに炎の数が増えていきます。
「きれー…」ふぁみは目を潤ませています。
その隣りでりずむをぼーっと見ているこえだ。
それに気付いたりずむは
「あら、どうしたの?」と尋ねました。
「え?いや、すごいなぁって」
「うふふ、魔女だもん私」
「魔女、か…」
そう呟きながら、こえだはりずむの指先を凝視しています。
「ステーキー!!!」
突然隣のふぁみが発狂しました。
宴開始の合図です。
*****
宴終了。
いつも通りふぁみはステーキを口にできませんでした。
午後八時半、魔女界への入口。
「ごめんね、今日はちょっと大事な用があるから、
魔女界に行かなきゃならないの。
明日の朝には戻ってくるから。
…あとはチュチュ、お願いね」
「おっけー」
空中であぐらをかいていたチュチュは、こくんと肯きました。
その隣では既にパジャマ姿のクレアが手を振っています。
「はーい、いってらっしゃい、りずむさん」
「行ってらっしゃい」他の四人も同様に。
にこっと微笑み、りずむは魔女界への扉の中へ入っていきました。
すると間もなく、扉はすっと閉じてしまいました。
「…んじゃ」
チュチュがそのままの体勢でくるんと五人の方を振り向き。
びしっと指差しました。
「夜は魔女の時間!!!
だから遊ぼう!!!!」
「おーっ!!!!」
五人も拳を天に突き上げます。
「…」
変な静寂。
「…で、何するの?」
ふぁみはチュチュに尋ねます。
「…何しよっか?」
「決めてなかったの!?」
「んじゃ王道。枕投げ」
みなみはいつの間にか見習い服に着替えています。
「みなみちゃん、いつの間に」
みゅうは気の抜けた声を上げました。
「ピピット…プーリット…プリタン…ペーペルト!!
枕よ、たくさん出てこい!!!」
ぼわん、という音と共に、大量の枕が現れました。
「…」
ぽか~んと絶句している四人とチュチュ。
「…おねーちゃん、アホでしょ?」
ふぁみは山積みになった枕を眺めて呟きました。
「何!?
…ピピットプリットプリタンペペルトっ!!
枕よ、ふぁみに向かって飛んでいけ!!」
みなみは呪文を早口で唱え、ポロンを振りかざしました。
枕はつぎつぎにふぁみに向かって飛んでいきます。
「ううううわああ!
クレアちゃんなんとかして!!!」
そんな様子をみていたクレアも、
「うん、それじゃふぁーちゃんくれあもいっくよぉ~っ!
えい!!」
クレアは魔法でバットをいっぱい出しました。
「これで打ちかえして…」
しかし時すでに遅く、みなみが放った枕は全てふぁみに命中していました。
「ありゃ」