ひみつの裏庭

2006/11/03(金)23:40

お泊まり会(上)

未来の石板2(95)

5月4日。 今日はMAHO堂でお泊まり会。 ***** 18:30。まずは夕食。 ・ ・ ・ 「さあ、できたわよー」 と、りずむとこえだは、昼頃から二人で作っていた パーティー料理を食堂室に運んできました。 庭で育てているハーブをふんだんに使ったサラダ、 よくわからないものをいっぱい煮込んだ、魔女特製スープ。 ライ麦のパン。 梅干し、納豆、冷や奴。 そして、ステーキ。 ほか、いろいろ。 「すごい色のスープだ」みなみは何故か目を輝かせています。 「うわぁ…」その隣で唖然とするみゅう。 「すすすすすっすすすすすすステーキ」よだれ垂らし放題のふぁみ。 「よだれ」こえだはふぁみに短く注意します。 「はぁい、じゃあ…」りずむは指を弾きました。 一気に消える明かり。 カーテンもシャッという音をたて閉まりました。 真っ暗な部屋。 きゃっきゃとざわめく五人。 「うふふ」 りずむがもう一度指を弾くと火花があがり、ロウソクに火がつきました。 色とりどりの炎。 「はい☆」 りずむが指を弾くたびに炎の数が増えていきます。 「きれー…」ふぁみは目を潤ませています。 その隣りでりずむをぼーっと見ているこえだ。 それに気付いたりずむは 「あら、どうしたの?」と尋ねました。 「え?いや、すごいなぁって」 「うふふ、魔女だもん私」 「魔女、か…」 そう呟きながら、こえだはりずむの指先を凝視しています。 「ステーキー!!!」 突然隣のふぁみが発狂しました。 宴開始の合図です。 ***** 宴終了。 いつも通りふぁみはステーキを口にできませんでした。 午後八時半、魔女界への入口。 「ごめんね、今日はちょっと大事な用があるから、  魔女界に行かなきゃならないの。  明日の朝には戻ってくるから。  …あとはチュチュ、お願いね」 「おっけー」 空中であぐらをかいていたチュチュは、こくんと肯きました。 その隣では既にパジャマ姿のクレアが手を振っています。 「はーい、いってらっしゃい、りずむさん」 「行ってらっしゃい」他の四人も同様に。 にこっと微笑み、りずむは魔女界への扉の中へ入っていきました。 すると間もなく、扉はすっと閉じてしまいました。 「…んじゃ」 チュチュがそのままの体勢でくるんと五人の方を振り向き。 びしっと指差しました。 「夜は魔女の時間!!!  だから遊ぼう!!!!」 「おーっ!!!!」 五人も拳を天に突き上げます。 「…」 変な静寂。 「…で、何するの?」 ふぁみはチュチュに尋ねます。 「…何しよっか?」 「決めてなかったの!?」 「んじゃ王道。枕投げ」 みなみはいつの間にか見習い服に着替えています。 「みなみちゃん、いつの間に」 みゅうは気の抜けた声を上げました。 「ピピット…プーリット…プリタン…ペーペルト!!  枕よ、たくさん出てこい!!!」 ぼわん、という音と共に、大量の枕が現れました。 「…」 ぽか~んと絶句している四人とチュチュ。 「…おねーちゃん、アホでしょ?」 ふぁみは山積みになった枕を眺めて呟きました。 「何!?  …ピピットプリットプリタンペペルトっ!!  枕よ、ふぁみに向かって飛んでいけ!!」 みなみは呪文を早口で唱え、ポロンを振りかざしました。 枕はつぎつぎにふぁみに向かって飛んでいきます。 「ううううわああ!  クレアちゃんなんとかして!!!」 そんな様子をみていたクレアも、 「うん、それじゃふぁーちゃんくれあもいっくよぉ~っ!  えい!!」 クレアは魔法でバットをいっぱい出しました。 「これで打ちかえして…」 しかし時すでに遅く、みなみが放った枕は全てふぁみに命中していました。 「ありゃ」

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