イ長調の交響曲不思議なことに イ長調の交響曲 というのは案外少ない。イ長調が大好き?なモーツァルトにしても 14番 29番 があるくらい ベートーベンの場合は 9曲の交響曲のうち 7番 のみ ブルックナーの場合も 9曲の交響曲のうち 6番 のみ あと メンデルスゾーンの 4番(イタリア) があるくらい シューマン ブラームス ドボルザーク マーラー チャイコフスキー シベリウス は イ長調の交響曲を書いていない どうも大編成になると金管楽器が使いにくくなるので避けるようだ このなかで 聞き応えがあるものといえば ブルックナー の 交響曲第6番イ長調 ということになるが イ長調 とはいうものの 第3楽章と第4楽章は イ短調 である 第2楽章も ヘ長調 だから 全体としては イ短調 の交響曲 といってもいい 実際 ショルティ シカゴ響 のLPには 交響曲第6番イ短調 と印刷されている この第6番はブルックナーの作品の中では人気はもう1つのようで 諸井誠 の 交響曲名曲名盤 でも 三大(7.8.9) 三中(3.4.5) 三小(0.1.2) ロク(6)でなし なんていわれている 確かに7.8.9 の三曲と比べると 緩徐楽章が弱い気がするが 逆に長大すぎないからバランスのとれたまとまりのいい曲でもある 実は 明るいと思われている メンデルスゾーン の 交響曲第4番 イタリア も 第4楽章は イ短調 なのである イ短調で始まる シベリウスの4番 や マーラーの6番 がイ短調で終わることを考えると イ長調 よりも イ短調 のほうが曲を終わらせやすいのだろうか ホ短調の曲はホ長調で終わることが多いし ハ短調の曲もハ長調で終わることが多いだけに謎である |