朝ドラ「ばけばけ」小泉八雲が蚊に転生してトミー・バストウをぶっ刺し?
あいかわらずNHKは、小泉八雲の関連番組を大量投下してます。…といってもNHK-ONEの配信はすべて終わってますが。わたしが見たのは以下の3本。・トミー・バストウが巡るアイルランドとニューオーリンズ・歴史探偵「ばけばけ」コラボ〜小泉八雲とセツ・北陸スペシャル「ばけばけin北陸〜富山で味わう八雲の面影」さらに10年前の再放送。100分de名著:小泉八雲「日本の面影」そして、八雲じゃないけど今年4月の再放送。知恵泉「水木しげる “鬼太郎”と“戦記漫画”の間に」なお、知恵泉では荒俣宏が、100分de名著では佐野史郎が常連になってて、すっかり八雲&水木のエキスパートになってますね。◇いちばん面白かったのは…小泉八雲が蚊に転生して、墓参りに来たトミー・バストウを刺したって話。ドラマでも、ヘブン先生が蚊を殺さない場面があったけど、実際、八雲は仏教の影響で殺生を嫌っており、「生まれ変わったら蚊になって友達を刺したい」…みたいなことも書いてたらしいwpic.twitter.com/Z1qZdJbxOh— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) December 13, 2025◇これらの番組を見てると、ドラマに出てくるエピソードの多くが、意外なくらい史実に沿ってるのだなと分かる。小泉家(ドラマの雨清水家)は上級武士だったのに、明治維新によって300石の家禄を失ってしまった。実際に武士が物乞いになることもあったらしい。稲垣家(ドラマの松野家)の養父が詐欺に遭ったのも史実。pic.twitter.com/0sFhGw8sNA— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) December 13, 2025以下の記事によれば、実母の小泉チエもほんとに物乞いになったそうです…松江いちの美人が「きれいな物乞い」に…「ばけばけ」でも描かれた小泉セツの実母がたどった没落人生 没落しても家事ひとつできない家老の一人娘 https://t.co/zpKsBFifOQ— PRESIDENT Online / プレジデントオンライン (@Pre_Online) November 4, 2025 一家が困窮したため、成績優秀だったセツも小学校を辞め、小泉家の会社で機織りの仕事をはじめます。pic.twitter.com/qY0PAUNquh— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) December 13, 2025八雲が風邪をひいたのも史実ですが、その原因は大寒波が見舞う異常気象だった。このときに小泉セツが、いわば看護要因として雇われたわけよね。◇一方、ハーンの親友になる西田千太郎(ドラマの錦織)は、実際に友人たちから「大磐石」と呼ばれてて、どの写真を見ても、いつも彼は集団の中心にいる。センターだから千太郎wpic.twitter.com/oJPswzUd3W— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) December 13, 2025千太郎の日記は、八雲を知るための貴重な資料ですが、そのほかにも150通に及ぶ手紙が残ってる。ただし、そのほとんどは八雲からの手紙で、千太郎からの返信はたったの22通wやはり八雲が文筆家で筆まめだから?pic.twitter.com/JbQwGdc52r— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) December 13, 2025なお、わたしは勘違いしてましたが…千太郎が、八雲を出雲大社へ連れて行ったのは、来県してわずか2週間後だったのね。つまり、まだセツに出会う前のことです。だから、八雲が昇殿を許されたことと、セツが出雲国造=千家氏の血縁であることは、あきらかに無関係ですね…(^^;むしろ逆に、このとき八雲が千家氏に抱いたリスペクトが、セツとの出会いに繋がった可能性のほうが大きい。実際、八雲の文章にも、地元で尊敬を集める千家氏のことが書かれてます。pic.twitter.com/GqZheHldsP— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) December 20, 2025 セツの養母も出雲大社の上官高浜家の養女でした。◇さらに勘違いといえば…わたしは、てっきり、おリヨさんは架空の人物だと思ってたんだけど、以下の記事によると、実際に当時の県知事令嬢はハーンと交際してて、彼が風邪をひいたときにウグイスを贈ってたのね。なお、ドラマでは、松江出身の佐野史郎が県知事を演じてますが、実際の当時の県知事は長崎出身です。(当時の知事は中央からの派遣なので地元出身は少ない)出島があった長崎の人だからこそ、あんなふうにハイカラだったのかもしれません。そして、長崎といえば「蝶々夫人」の舞台ですよね…。蝶々夫人のモデルとされるのはトーマス・グラバーの内縁の妻だった淡路屋ツル。だから小泉八雲は「知事のお嬢様」を選ばなかった…朝ドラ・セツの「恋敵」が起こした前代未聞のスキャンダル https://t.co/lXFL1v1WQc— PRESIDENT Online / プレジデントオンライン (@Pre_Online) December 10, 2025◇話の時間軸が前後しますが…100分de名著によると、横浜から松江へ向かったハーンは、太平洋側から日本海側へ人力車で移動したとのこと。人力車は、明治期に普及した日本の発明品だけど、現在の鉄道にも相当する長距離移動手段だったのね。そのことに驚いてしまいます。和泉要助、高山幸助、鈴木徳次郎の3名は、東京で見た馬車から着想を得て1869年(明治2年)に人力車を完成させ、翌1870年に日本橋で開業したとされる。1872年までに、東京市内に1万台あった駕籠は完全に姿を消し、逆に人力車は4万台まで増加して、日本の代表的な公共輸送機関になった。これにより職を失った駕籠かき達は、多くが人力車の車夫に転職した。その後、鉄道、自動車の普及により、都市圏では1926年(大正15年/昭和元年)頃、地方でも1935年頃をピークに減少した。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%8A%9B%E8%BB%8A◇一方、トミー・バストウの紀行番組は、関連番組のなかで唯一の海外取材ものだったので、それなりに興味をもって見たのだけど、やっぱり、いまひとつ食い足りなかった。ギリシャを取材してないのも不満だけど、そもそも縁のある人物が誰も出てこないからです。ギリシャの実母の親類はもちろん、アイルランドの実父の親類もいっさい登場しない。結局、ハーンの親類縁者って、日本の曾孫である小泉凡以外には、だれひとりメディアに登場しないのかな。じつはトミー・バストウもアイルランド人の血を引いてる。◇アイルランドでは、少年時代のハーンが過ごした家も出てきましたが、当時のまま保存されてるわけじゃなく、ハーンの部屋はあきらかに別の人が使ってる感じ。100年以上も前の建物はとてもモダンで、それが現在でもふつうに使われてるのは、それはそれでスゴいことだけど、反面、ハーンを知るうえでの資料的な価値は低い。pic.twitter.com/aDuxJVX3UO— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) December 13, 2025ニューオリンズでは、クレオール文化を紹介したレジェンドとして、それなりに評価されてるっぽいけれど、やはりハーンと縁のある人は誰も出てきません。コンゴスクエアや、マルディグラの風景、ブードゥー教の店など、一般的なスポットを巡っただけで、ハーンにゆかりのある固有の場所は出てこない。pic.twitter.com/uIHNh3elea— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) December 13, 2025◇余談ですが…100分de名著では、八雲の「日本人の微笑」という文章に触れて、オリエンタルスマイルのことも話題にしてました。…なぜ日本人は悲しいときにも微笑むのか?有名なオリエンタルスマイルといえば、戦メリのラストのたけしの微笑だろうけれど…わたしがもうひとつ思い出すのは、ノラ・ジョーンズの微笑みですね。彼女のYouTubeを見てると、カメラに向かって意味もなくニッコリ笑う。わたしはそれがとても好きなのだけど、彼女もインド人の血を引いてるだけあって、オリエンタルスマイルじゃないかなと感じます。以前、ガーディアン紙の記者が、ノラがラヴィ・シャンカルの娘だと伝えたとき、そういうノラの微笑みについて、顔の筋肉を伸ばしてるだけと書いてたのよねwhttps://www.theguardian.com/theobserver/2002/sep/29/features.magazine37pic.twitter.com/pjl1tcS0EY— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) December 13, 2025 新編 日本の面影 (角川ソフィア文庫) [ ラフカディオ・ハーン ]価格:858円(税込、送料無料) (2025/12/14時点) 楽天で購入