テーマ:Mの悲劇(8)
カテゴリ:ドラマレビュー!
だいぶ時間がたちましたけど、
今クール見てたドラマのうちで面白かったものを、 せっかくだから、あと2本挙げておきます。 『Mの悲劇』と、『87%』。 ◇ まず、『Mの悲劇』。 もともと、TBSのドラマは、 フジとかにくらべて、いまいち新しさやパワーを感じないんだけど、 それでも『Mの悲劇』は、かなり満足できました。 サスペンスもので、 こんなふうに映像の美しさに力いれてたドラマっていうと、 去年、中居くんがやった『砂の器』を思い出すんだけど、 今回のほうが、もっとよく出来てると思いました。 わたし的には、 今後のTBSのドラマは、 この「サスペンス路線」と「クドカン路線」に期待できる感じです。 ◆ 『Mの悲劇』の内容は、 長谷川京子ちゃんがストーカー的な攻撃をしてくる前半部分が、 すごく脚本が緻密で、よくできてると思いました。 京子ちゃんの憎悪はただの「逆うらみ」だったんだけど、 逆うらみに至るいきさつが、共感してしまうだけの説得力があった。 音楽も効果的で、 最後の主題歌でカタルシスに落ちるまで、 追いこんでいくような盛り上げ方が、毎回ワクワクものでした。 わたしは、 てっきり最後まで京子ちゃんの攻撃が続くんだと思ってたので、 途中で稲垣君と京子ちゃんが和解してしまうのは予想外だったし、 そこから「第二幕」みたいになっちゃって、 佐々木蔵之助が物語の前面に押し出てくるのも、意外でした。 佐々木蔵之助の攻撃がはじまる「第二幕」というのは、 もう、ドラマの最後のほうだったので、 とつぜんメチャクチャな展開を最後につけたしたような感じで、 脚本的にも、穴が多い感じはしたんだけど、 個人的には、 メチャクチャな展開って、キライじゃないので、 終盤に、どんどん話がメチャクチャになっていくのが、 逆に面白かったです。 最後は、過去の人間関係がカラミにカラんで、 だれがだれを恨んでたのか、ワケがわかりませんでした。(~~; でもって、 話はメチャクチャなのに、 ひたすら佐々木蔵之助の異様な迫力だけがきわだっていくのが、 なんか、ほとんど笑えたというか、面白かったです。 それと、 このドラマはキャスティングがよかったと思う。 稲垣君はあのまんまとしても、 京子ちゃんとか、伊部雅刀とか、佐々木蔵之助とか、 それぞれ存在感がすごく出てて、 それだけでも豪華な出演陣みたいな錯覚ができたし、 吉行和子とか、岡本綾とか、 それから吉岡美穂にいたるまで、 ほんとにキャスティングはみごとで、完璧だったと思う。 ◇ 日テレの『87%』のほうは、 なんとなく、出演陣とか、地味な印象だったけど、 でも、脚本は堅実だったし、 毎回、次週を楽しみにできるだけのものがありました。 本木雅弘と夏川結衣の演技もしっかりしてて、 わたしとしては、十分満足できました。 日テレは、ちょくちょくいい仕事してると思います。 このあいだ、 よるドラの『百年の恋』が再放送してました。 本放送のときは、この日記でとりあげなかったんだけど、 これも、けっこう好きなドラマだった。 三島由紀夫みたいな、あるいは三隅研次の映画みたいな、 (↑といっても分かりにくいかも) やたらにシャープな雰囲気が気持ち悪いくらい画面にみなぎってて、 どう見ても宇宙人にしか思えない江波杏子とか、 異様な演出が、かなり斬新だった。 ただ、作品の印象がどうしても地味で、 放送期間も短かったので、 あんまり人気が出なかったんじゃないかと思う。 よるドラの場合は、 人気のあるしなしでDVDになったりならなかったりするから、 好きなドラマが人気ないと、ちょっと悔しい。 (べつに、DVDを買うわけじゃないけど) 「よるドラ」のなかで、 ああいう異色な作品も面白いなー、と思ってたのに。 そのほかにも、 「よるドラ」の好きな作品で、 この日記にとりあげなかったものはあって、 そうのへんのドラマのことは、 音楽とかドラマの総合サイトをつくったので、そっちに書いてあります。 ↓ http://maikamaika.hp.infoseek.co.jp/index.html ◇ ◆ ネットの反応とか、新聞の批評とか、 そういう評価だけでドラマの良し悪しが決められるのって、 しょーがないところもあるけど、 自分の好きだったドラマがダメ扱いされるのも悲しいし、 せっかくいいドラマなのに、瞬発的な反応で吐き捨てられるのも、 作った人たちも気の毒だなあと思うし、 できれば過去のドラマも、機会を見つけてとりあげてみたいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.04.12 02:32:15
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