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まいかのあーだこーだ

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2019.08.14
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カテゴリ:ドラマレビュー!
「いだてん」第30話。

史上最低視聴率だったそうですが、
それほど内容が悪かったわけではありません。

視聴率との関連はともかく、
やはり前回の内容のほうに問題があったと思います。
いちばん大きな問題は、
高石勝男(斎藤工)を物語の中心に据えてしまったことですね。

これが脚本のせいだったのか、
それとも演出のせいだったのかは分かりません。

じつはストックホルム編のときにも、
三島弥彦(生田斗真)を物語の中心に据えてしまったことが、
ドラマの勢いを停滞させた最大の原因だと感じていました。

たとえ同じ物語、同じシーンであっても、
どの人物の表情を中心に撮っていくかで、まるで見え方が変わってきます。

今回のように、オリンピックの選手選考の物語を描く場合でも、
それは、あくまで田畑政治の苦悩をとおして描くべきだったと思います。
高石勝男の姿でさえ、
カメラの据え方やカットの割り方が違えば、
それを、あくまで田畑政治の表情をとおして描くことができたはずです。

たとえば、
過去に、もっとも成功した大河ドラマとして、
宮崎あおいちゃんの「篤姫」がありますけれど、
あの作品などは、その点において、非常に模範的だったと思う。

すべての出来事を、
ひたすら主人公(あおいちゃん)の表情をとおして描いていたからです。

歴史的な出来事は、さまざまな場所で起こるわけだし、
そのつど当事者も異なるわけですが、
それでも、最終的には、すべての出来事が、
主人公である篤姫(あおいちゃん)の表情によって意味づけられていた。
あのドラマは、そういうスタイルを一貫して崩しませんでした。
だから、物語の軸がぶれないし、散漫にならないし、
視聴者としては、とても感情移入しやすい。

それこそが大河ドラマにとっては王道だと思います。

もちろん、例外はあります。
たとえば、三谷幸喜の「新選組」のように、
回ごとに物語の中心人物がどんどん変わっていく群像劇もあります。
あの作品の場合は、山本耕史や、堺雅人や、佐藤浩市が、
そのつど主役並みにスポットを浴びて活躍していました。

けれど、それを成功させるためには、
脚本の意図と、演出の手法と、役者の魅力とが、
ぴったりと噛み合わなければいけない。
それぞれのキャラが主役を凌ぐほど魅力的でなきゃいけないし、
視聴者が感情移入できるだけの十分な伏線も必要です。
それをやるのは、とてもハードルが高い。

あくまで「いだてん」の場合は、
金栗四三と田畑政治を中心に物語っていくのが正解なのだと思います。
回ごとに中心人物が変わるのは、あまりにリスクが高い。
いきなり斎藤工が話の中心になっても、視聴者は戸惑うだけです。

ちなみに、
古今亭志ん生のサブストーリーが並行するスタイルについて、
当初から賛否両論あるようですが、
わたしは、それ自体が悪いとは思ってません。
むしろ金栗四三と田畑政治の物語がしっかりとした軸になれば、
志ん生のサブストーリーも相対的な視点として有効に機能するはずです。




NHKは、視聴率を回復しようとするあまり、
それを安易な対策で改善しようとしてるっぽいのですが、
かえって熱心なファンまで失望させかねない悪循環に陥っています。

おそらく上層部は数字を見て判断しているでしょうが、
数字だけを見ても、なんら本質的なことは見えてきませんし、
もちろん視聴率主義のバカな批評家の話を鵜呑みにしても、
しょせん彼らはネットの感想を拾って適当な記事に纏めているだけです。

ほんとうに質の良い仕事を正当に評価せず、
逆に責任だけを押しつけていくような本末転倒をやれば、
かえって能力のあるスタッフほど、やる気を失くす結果になるでしょう。
まあ、これはNHKにかぎった話ではありませんけど。

バカな企業ほど、そういうことをやりがちですよね。







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最終更新日  2019.08.14 09:20:06


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