カテゴリ:逃げ恥~けもなれ!
あらためて見直してみると、
みくりは最初から津崎のことが好きなんだな、ということが分かる。 津崎のほうは、 つとめてドライに考えようとしてますけどね。 ◇ 初見のときは、 「契約結婚なんてドラマの中のお話でしょ」と思ったけど、 いまになって考えてみると、 意外に「アリ」かもしれないなあ、という気がしてます。 通常は、 結婚するにせよ、同棲するにせよ、 お互いの「気持ち」を確認しないと始められないものだけど、 労働契約というものを介在させることで、 面倒な「気持ち」の確認作業を後回し・先送りにしたまま、 とりあえず同棲生活を始められるのですよね。 おそらく知的な人であればあるほど、 「気持ち」という不確かなものに怖気づいてしまって、 それを確認することの困難さを途方もなく感じるのです。 だから、 まずは労働契約のもとに同棲生活を始めてしまう。 それでうまくいかなければ、 後腐れなく契約を解消すればいいのだし、 うまくいったら、 タイミングを計りながら、徐々に気持ちを確認していけばいい。 ◇ じつは「逃げ恥」の場合もそうですけど、 いちばん難しいのは、気持ちを確認し合った後なのですよね。 やはり「気持ち」というのは、 どんどん変わってしまうものだし、 愛情は、そもそも等価で交換できるようなものではない。 それを等価で交換しようとすればするほど、 なんだか自分だけ搾取されているような感覚に陥ると思う。 それはけっして数値化できないからです。 むしろ、愛情は贈与だと考えたほうがいい。 そうしてみると、 いつまでも契約を介在させたまま、 そのワンクッションを残しておくほうが、 かえって安定的な関係を維持していける気がします。 ◇ 結婚というのは、 古来から、一種の契約ではあったはずだけど、 けっして対等な契約とはいえませんでした。 とりわけ家どうしの結婚では、 本人の意思がないがしろにされていたし、 そこでは女性が物品のように交換されていた。 つまり、人権無視の不当契約だったのです。 おそらく「逃げ恥」が描いているのは、 結婚という契約をいかにして対等なものにしていくか、 という一つの試みなのですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.05.20 16:02:28
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