テーマ:好きなクラシック(2273)
カテゴリ:映画・アニメ・音楽
以前は、
NHK-FMで「古楽の楽しみ」を聴いてたので、 わりとフランスのバロックオペラは好んで耳にしてました。 しかし、テレビで取り上げられることは少ないので、 今回、映像で見ることができたのは嬉しい。 ドビュッシーやラベルのような近代音楽もいいけれど、 フランス本国では、30年ほど前から、 バロック音楽が若者たちに人気なのだし、 それはポピュラー音楽のなかの古楽趣味にも影響しているし、 今後はEテレでも、 リュリやらカンプラやらシャルパンティエやら、 どんどん映像で取り上げてほしいなと思います。 むしろ遅すぎるくらいですけど。 ◇ フランスのバロック音楽の人気が高まったのは、 たぶん米国人のウィリアム・クリスティが、 79年にレザール・フロリサンを結成して以降ですよね。 91年には、 マラン・マレを題材にした映画「めぐり会う朝」が公開され、 00年には、 リュリを題材にした映画「王は踊る」も公開されています。 宮川彬良が今ごろになって「ラモー歴半年」というのは、 音楽家としてちょっとどうかと思うし、 フランスのバレに対する認識もズレてる気がしたけど、 (彼が言ってたのは、たぶんロシアバレエのことですね) ラモーの音楽のなかに、 シャッフルするビートを聞き取っていたのは、 さすがに親譲りというか、なかなか面白かったです。 ただし、 「バッハの教会音楽がラモーにくらべて堅い」という話は、 たしかに間違いではないと思うのだけど、 いちはやくジャズに翻訳されたのは、 むしろバッハのほうがはるかに先だったんだから、 おそらくバッハのなかにも、 シャッフルするビートは十分に聞き取れるはずですよね。 ◇ 当時のフランス人が、 イタリアオペラを受け入れなかったというのは、 ちょっと興味深い話でした。 そのころからフランス音楽は独立した存在だったのですね。 といっても、 その基礎を築いたのはイタリア出身のリュリですけど(笑)。 フランス人はカストラートを受け付けなかった、 という話もありますが、 わたしが思うに、 イタリア人の暑苦しい歌なんぞよりも、 踊りと合唱が穏やかに調和する優雅な世界のほうが、 フランス人の好みに合ったのだろうな、という気がします。 「バロック音楽はオペラから始まった」 「オペラはイタリアではじまった」 という歴史認識にとらわれてしまうと、 フランス音楽の独自性を見落としてしまうし、 のみならず、バッハやヘンデルが、 かなり「フランス風」の影響を受けていることを考えると、 むしろバロック音楽そのものを、 フランス中心に捉え直すべきなのかもしれませんよね。 ◇ ラモーが和声学の基礎を築いた、というのも知らなかったです。 ベルリオーズは管弦楽の基礎を築いていますけど、 そういう意味ではドイツ人よりフランス人のほうが偉いですね(笑)。 意外にフランス人のほうが理論的なのでしょうか? それとも、実践的だというべきなのでしょうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.11.21 09:46:32
[映画・アニメ・音楽] カテゴリの最新記事
|
|