テーマ:政治について(19780)
カテゴリ:政治
政府が、
「マッチングシステムの高度化」 を支援する方針を打ち出しました。 ◇ 以前も書きましたが、 マッチング技術というのは、 結婚相手の選択や、商品の選択だけでなく、 職業の選択や、 医療や医薬の選択など、 さまざまな分野に拡大しうる汎用性の高い技術です。 ▶diary/20191227 ▶diary/20200108 簡単にいえば、「マッチング」とは、 AIによって試行錯誤の過程を省略し、 社会的な分配や運営を最適化するだけでなく、 個人の人生を効率化するための技術です。 「試行錯誤こそが人生だ」というのは、 古い時代に生きた人間の旧式の価値観にすぎません。 もはやそれを未来の人間に押しつけるべきではない。 ◇ たとえば、 洋服や健康器具を買うたびに、 「また買い物に失敗した」と言って、 それを部屋の片隅や倉庫に放置したり、 口に合わなかったり、 多く買いすぎたりした食料を、 ゴミとして廃棄したりするような習慣を、 今後もずっと地球上の数十億の人々が続けたら、 それは、 地球資源の破壊や、 食料の枯渇、 廃棄物や二酸化炭素量の増大、 そして環境汚染を極限まで悪化させることになる。 そうした試行錯誤にともなうムダを省いて、 個人の人生や社会分配を効率化していくことは、 いまや喫緊の課題なのです。 ◇ 今後は、 商品においても、職業においても、医療においても、恋愛においても、 個人の生活様式や、体格・体質や、趣味・嗜好に合ったものを、 まずはAIが選別していくことになります。 その中から、 さらに自分の目で見て選ぶかどうかは、 もちろん個人の自由ですが、 あえて《試行錯誤の多い人生》を歩みたいという人がいても、 それすら「趣味・嗜好」の問題として処理されるにすぎない。 今後の人間の生き方のモデルは、 試行錯誤をしつづける人生ではなく、 つぎつぎと新しくて良いものに出会っていく人生に変わります。 ◇ 恋愛においても、 すでに若い世代は、 試行錯誤や失敗に対する耐性を失っていますが、 少子化を食い止めるためにも、効率的な恋愛こそが必要なのです。 もちろん、 人生における恋愛は一度ではありませんし、 むしろ恋愛感情は長続きしないのが当たり前なのだから、 人生のなかで恋愛は何度も行われるべきであり、 恋愛が終焉することは、何ら「失敗」ではありません。 終わるのが当然です。 それどころか、 結婚の終焉さえ「失敗」と呼ぶべきではないのです。 つぎつぎと新しくて良い恋愛をする、という生き方こそが正しい。 ◇ ちなみに、 子育てのシステムは、 結婚や核家族という単位とは切り離して、 あらたに構築し直さなければなりません。 そこにもマッチングの技術が必要です。 子供にとって、 実母や実父が理想的な親とは限らないのだから、 子供と育ての大人たちとのマッチング、 子供と成育環境とのマッチングを図るべきです。 そして、それは、 子供の将来的な職業適性と、 教育とのマッチングを踏まえたものであるのが望ましい。 マッチンシステムの発展は、 たんに消費社会の効率化というだけでなく、 家族や共同体の再構成というところまでを、 視野に入れるものでなければなりません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.01.29 18:18:53
|
|