2021/03/15(月)11:50
「天国と地獄」最終回を大予想!
やっぱり、
完全に「白夜行」の図式ですよね。
ただし、
いまだに「北村一輝=武田鉄矢」と思ってる人も多いようです。
それは、たぶん物語の構図を見誤っている。
立ち位置としては、あきらかに「綾瀬はるか=武田鉄矢」です。
(なぜなら「日高&朔也」こそが「雪穂&亮司」に相当するからです)
◇
とはいえ、
2人の罪を知った刑事の演技としては、
さすがの綾瀬はるかも、
武田鉄矢の凄みにまでは及びませんでした。
これは、
脚本自体の弱さに起因すると思うのですが、
そもそも東朔也の罪には、
亮司ほどの切実さが感じられないのですよね。
亮司は、
あくまで雪穂を守るために罪を背負ったのですが、
東朔也の場合は、
私怨と、余命わずかになった自暴自棄から、
かなり衝動的に犯罪に走っているにすぎない。
しかも、あろうことか、
その罪を、弟の日高にまで背負わせようとしています。
亮司と雪穂のあいだには、
純粋すぎるほどの「愛」があったのですけど、
朔也と日高のあいだには、
なんらかの「兄弟愛」はあるものの、
複雑な「妬み」や「逆恨み」の感情も混じっている。
その感情は、
たしかにリアルといえばリアルであって、
理解できる部分もあるのですけど、
亮司ほど痛切なものではなく、共感もしにくいのです。
武田鉄矢の演技には、
亮司に対する強い情愛と共感が宿っていました。
しかし、綾瀬はるかは、
東朔也の罪には共感しにくいだろうと思います。
むしろ、共感するとすれば、
兄の罪をすこしでも引き受けようとした日高のほうにでしょうが、
彼は、結果的にはたいした罪を犯していませんし、
亮司ほど悲劇的な運命にはありません。
そこが「白夜行」の物語にくらべて、ちょっと弱い。
◇
◇
さて、
物語の図式はほぼ明らかになりました。
最終回には、いったい何が残ってるんでしょうか?
おおよそ決着はついた気がするんですけど(笑)。
せいぜい残っている話があるとすれば、
奄美大島の秘密ぐらいかなあ。
でも、奄美に上陸する前に、
兄弟は船上で確保されてしまいましたし、
もう兄のほうは死んでしまったかもしれない。
いったい東朔也は、
奄美に来て何をしようとしたのか?
奄美で兄弟が知るべきこととは何だったのか?
日高と望月を入れ替わらせた奄美の伝説とは何だったのか?
…
もしかすると、望月やセク原が、
それを後日談のような形で辿っていくのかもしれませんが、
森下佳子のいままでのパターンからすると、
そこらへんを放り投げたまま終わらせる可能性もあります…(笑)。