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まいかのあーだこーだ

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2021.09.12
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NHK大河「青天を衝け」。

栄一はすでにパリから帰国したので、
「一橋家臣編」と「パリ編」までが終わったことになります。

第1部につづき、
第2部・第3部も満足のできる内容でした。



クドカンの「いだてん」では、
ストックホルムを舞台にした海外編のときに、
やや勢いが衰えた印象があったので、
本作の「パリ編」がどうなるかを心配していました。

ただでさえ、
ヨーロッパのモダンな風景や、
髷を切り落とした洋装の登場人物たちは、
なかなか大河ドラマの世界に相容れないからです。

実際、
髷を落とした洋装の栄一の写真を見て、
千代が思わず「浅ましい…」とつぶやくシーンもありました。

あれこそが、まさに旧来的な大河ファンの反応でしょう。
チョンマゲで戦をしてこその大河だという考えは根強い。

しかし、
それも一種の自虐ネタとして処理されて、
結果的には、海外編もうまく切り抜けたように思う。



大森美香の脚本による「あさが来た」は、
平成期ではもっとも人気の高い朝ドラでした。

しかし、
朝ドラで成功したからと言って、大河でも成功するとは限らない。
むしろ、朝ドラと大河は対極的だとさえいえます。

まして大森美香は、
これまで女性の物語ばかり書いてきたのだし、
はたして男たちの歴史物語なんて書けるのかしら?
…という余計な心配もしていました。

しかし、
今はそんな不安もすっかり消えて、
むしろ大河ドラマの新境地が開かれていることに驚いている。



旧来、NHKの大河ドラマは、
あくまでも"戦国時代の武士の物語"を主軸にしてきました。

たしかに、
橋田壽賀子や田渕久美子は女性の物語も書いてきたし、
「新選組」や「篤姫」では幕末の物語も書かれてきたし、
「いだてん」のように近現代の物語も書かれるようにはなった。

しかし、それでもなお、
"戦国の物語こそ大河の主流"とする考えは根強い。

そんななかで、
女性脚本家である大森美香が、
幕末から近代にかけての"文官・文民の物語"を成功させつつあります。

これによって、
またひとつ大河の新しい世界が切り開かれている。



今回の大河には、
それなりに合戦のシーンもありはするけれど、
基本的には、
男臭さや汗臭さや血生臭さが抑えられていて、

どちらかといえば、
美男美女たちのキレイ系の作品に仕上がっています。
それこそが大森美香らしい作風で、
女性の視聴者にも受け入れやすい要因だろうと思う。

しかも、
西洋化する近代日本が舞台とあって、
テーマ曲のオープニング映像では、
武士や平民たちが華麗なモダンダンスを踊ったりしてるし、
冒頭に登場する徳川家康の背後では、
パントマイムによるトリックアートも披露されたりしている。

かつてなくオシャレな演出が取り入れられています。

くわえて言うなら、
一橋家臣編における栄一&喜作の仲良しコンビには、
さながら"BL漫画風"ともいえる味わいすら感じられました。



ちなみに、語り部としての徳川家康さんは、
今回の大森美香の最大の「発明」だったといえます。

本来なら、語り部とは、
「視聴者の日常」と「ドラマの非日常」をつなぐ懸け橋なのだけど、
今回は、あえて戦国の大武将が、
「大河の視聴者」と「幕末・近代の世界」をつないでいるという図式。
これはかなり巧みな仕掛けだと思う。

実際、旧来的な大河ファンの多くは、
渋沢栄一よりも徳川家康のほうに親近感をもつのでしょうから(笑)。

そんな家康さんに、
「幕府が終わっても世の中はそう簡単に変わりません」
などと説明されれば、
そうか~!なるほど~!という気持ちにもなるわけです。



今後、明治編に突入すれば、
いよいよ「いだてん」と同じ近現代の領域に入ってきます。
すなわち、
それは「あさが来た」の舞台に重なるということでもある。

ここから大森美香は、
この新しい大河をどのように切り開いていくでしょうか?




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最終更新日  2021.10.05 22:19:21
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