2021/10/10(日)15:11
NHK「アンという名の少女」シーズン2 第4話。
あらすじ・ネタバレです。
出た!
エレイン姫!
アーサー王と伝説の騎士ごっこ!(けっこう危険な舟遊び)
テニスンの名前が出てきましたが、
アルフレッド・テニスン「国王牧歌」の真似なんですね。
…このランスロットとエレイン姫の悲恋が、
若き日のマシューとジェニーの悲恋に重ねられていきます。
今回は、
たくさんのラブレターが出てきました。
まずは、ジェニーからマシューへの手紙。
マシューが返事を書こうとしないので、
それを知ったアンは、マシューのふりをして返事を書き、
彼らの失われた恋を取り戻そうとします…。だいぶお節介だけど!
兄の死によって学校をやめたマシューの境遇は、
父の死によって学校をやめたギルバートの境遇に似ている。
でも、ギルバートは、
アンに返事の手紙をちゃんと書きましたから、
こちらの恋はきっと成就するはずですね。
ちゃんと宛名も"e"のある"anne"になってました。
◇
さて、
やけに苛立っているバリー夫人。
アンとダイアナの舟遊びを見て大激怒します。
バリー夫人は懲りていませんね。
いつだってアンのほうが正しいのに!
…と思ったら、
カスバート家も事情は同じで、
マリラのほうも、かなり苛立っています。
詐欺師を下宿させていたカスバート家。
詐欺師の金集めに協力してしまったバリー家。
マリラも、バリー夫人も、
村人たちに顔向けができなくなって、
すっかり家のなかに引き籠っているのでした。
リンド夫人によれば、
教会の長椅子を買えなくなった牧師が、
いちばん今回の事件にご立腹だそうです。
っていうか、あのケチな牧師、
村人からさほど尊敬されていませんけど(笑)。
◇
不運な状況のなかでは、
つねに弱い者へとしわ寄せが来ます。
結果的に、いちばん罪のない人がとばっちりを喰ってしまう。
バリー夫人は、
夫からないがしろにされてるけど、
娘のダイアナとミニーは、
そんな母親から厳しく当たられます。
ミニーはストレスのあまりお寝しょをする。
アンは、
マリラから意味もなく咎められるけど、
下働きのフランス人ジェリーは、
そんなアンから八つ当たりを受けます。
さらに、マリラは、
ドイツから来たユダヤの行商人のことも、
「怪しげなイタリア人だ」と言って追っ払います。
下宿人を住まわせたことがトラウマになって、
すっかりよそ者を警戒するようになってるのですね。
それにしても、
なぜユダヤの行商人を "イタリア人" と思うのでしょうか?
◇
一方、トリニダードでも、
やはり弱い立場の人にしわ寄せが来ます。
妊娠して打ち捨てられた黒人の娼婦です。
人種差別と職業差別。階級格差と貧困。
そうした社会の歪みが、ひとりの女性を襲う。
そこから繰り広げられたのは、
粗末な納屋の中で、
白人の少年が黒人娼婦の赤ん坊を取り上げるという、
かなり衝撃的なシーンでした。
男と女、少年と成人、白人と黒人、船員と娼婦…
そうした既成の枠組みを打ち砕く大胆なエピソード。
ちなみに聖母マリアも、
粗末な馬小屋で父親不詳の「神の子」を出産したわけです。
ギルバートの母は、
彼を出産したときに亡くなったらしいけど、
だからといって、
十代の少年がお産の知識をもってるのは驚きです。
ちなみにギルバートの母が亡くなってるのは、
ドラマのオリジナル設定で、原作ではちゃんと生きてるらしいです。
◇
バリー家も、カスバート家も、
いろいろとギクシャクしたけれど、
最後は関係を修復して、家族の絆を取り戻します。
今回のテーマは、
さしずめ「雨降って地固まる」ってところでしょうか?
黒人の出産のシーンも、
ちょっと唐突ではあったけど、
あれはギルバートが医者になるための伏線ってこと?
…
ところで、
ダイアナとミニーは、
娘に当たり散らした母親の強制で、
大人のレディになるための修業をやらされてましたが、
同級生で絵の上手なコールは
「大人の男になるための本なんて自分の役に立たない」
みたいなことを言ってました。
ん?
ん??
ちょっと気になる発言です…。