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まいかのあーだこーだ

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2022.03.20
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卒業や階段に階段の影 静けさや一貫校の春休み ダイヤ改正春恨の昇り降り プランター葬はつ虹の大きな窓 春愁をエスカレーター地下へ地下へ 春雷すストレッチャーを急かす駅 春帽子手に駆け上るあと5段
プレバト俳句。
お題は「階段orエスカレーター」。

村上と森口瑤子には名句の手応えがありました!
千賀と皆藤愛子の句も良かったです!





まずはフルポン村上。
卒業や 階段に階段の影


ひさびさに村上のヒット作。
それどころか、これはフルポン史上の最高傑作かも!

この句の映像を頭に浮かべたら、
キース・ジャレットの「Staircase」のジャケ写を思い出しました。
もともと村上の句には「静けさ」がありますが、
この句には、その特長が極まっています。

どこにも「静けさ」とは書いてないけれど、
人気のない階段だけの映像には静けさがあって、
そこに心情や記憶や物語が織り込まれているように見える。

折り重なった学校の階段には昇り降りのベクトルがあり、
それは生徒たちの過去や未来の時間のベクトルも象徴しています。

そして「影」が出来るということは、
すなわち春の陽光が射しているからであって、
そこには穏やかさとともにささやかな希望が感じられる。

最後に「影」という語が置かれているとはいえ、
わたしは明るい春の句だと思いました。



キスマイ千賀。
静けさや 一貫校の春休み


こちらには「静けさ」と明記されています。

ただし、同じ静けさとはいっても、
入学も卒業もない一貫校の春休みなので、
たんに「誰もいない」というだけの無感動な静けさです。

豊かな感情をたたえた村上の句とは対照的だけど、
これはこれで、固有の味わいと面白みがある。

この句を見て、
敗者復活で残るのは千賀か筒井真理子と予想しましたが、
ジュニアが勝ち残ったのはちょっと腑に落ちません…。



森口瑤子。
春愁をエスカレーター地下へ地下へ


上五に助詞の「を」を用いています。

かりに「春愁」としてしまうと、
形式上はカットが中七で切れてしまう。

しかし、
他動詞を要する「」を選んだことで、
「エスカレーターが春愁を地下へ地下へ(運ぶ)」と、
下六までがすべてワンカットに繋がります。

最後の6音字余りのリフレインは、
ゆっくりしたエスカレーターのスピード感や、
「ぐんぐん」「ずんずん」という、
不気味なモーター音のリズムをも思わせますね。



皆藤愛子。
春帽子手に駆け上る あと5段
発車ベル あと5段 春帽子手に
(添削後)

森口瑤子がゆっくり降りていくのとは対照的に、
皆藤愛子は勢いよく駆け上がっています。

春らしいスピード感があって、
華やかで爽やかで、明るさに満ちた句。

これは、
添削よりも、
断然、原句のほうが良い。

添削は、
倒置にしたことで三段切れに見えてしまうし、
スピード感が失われたことで、
なにやらお洒落をした老女が、
苦心しながら上り階段を焦ってるように見えます。



ミッツ・マングローブ。
ダイヤ改正 春恨の昇り降り
春恨の改正 駆け上るホーム
(添削後a)
春恨の改正 2番ホーム嗚呼(添削後b)

原句にしろ、添削にしろ、
ダイヤ改正を「春恨」と言い表した発想そのものが、
やや大袈裟に感じられました。

実際、一読したとき、
この「昇り降り」というのは、
エスカレーターではなく、
人事などの抽象的な話かと思ってしまいました。



岩永徹也。
初虹の窓辺 プランター葬の鉢
プランター葬 はつ虹の大きな窓
(添削後a)
プランター葬を選べば春の虹(添削後b)

窓辺の映像を詠むならワンカットにまとめるべきだし、
あくまでもカットを割るのなら、
(添削後a)のように「プランター」と「窓」を別にすべきですね。



春風亭昇吉。
春雷す ストレッチャーを急かす駅
春雷や ストレッチャーを急かす駅
(添削後)

個人的には、
季語を「春雷や」と詠嘆するよりも、
即物的に「春の雷らい」としたほうがいいかなと思いました。
そのほうが緊迫感が増すと思います。





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最終更新日  2022.03.20 16:34:18
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