テーマ:今日聴いた音楽(76306)
カテゴリ:東宝シンデレラ
11月6日に萌音の新譜が、
11月27日に萌歌の新譜が出ました。 ちなみに「新譜」とか「楽曲」とかの用語は、 たぶん音楽出版社が楽譜を売ってた時代の名残りで、 レコードやCDの時代にも生き残ったのだろうけど、 さすがに配信時代になった今では死語かもしれませんw やっぱり傾向として、 萌音は「励ましソング」が多く、 萌歌は「失恋ソング」が多い印象だけど、 シティポップリバイバルの影響もあってか、 音楽的にはどちらも明るさが強まってます。 ◇ まずは萌音。 安子の実家は岡山の和菓子屋だったのに、 なぜか吉備だんごが売ってなかったので、 今回のアルバムタイトルは「kibi」!! …ってのは嘘で、 本人によれば生活や感情の《機微》の意味らしい。 わたし自身は《吉備だんご説》を採りたいけど。
10曲中5曲が本人作詞です。 言葉のイントネーションを、 メロディの抑揚に違和感なく乗せていく能力は、 アイドル期の斉藤由貴にまったく引けを取りません。 由貴ちゃんは天性の詩人で、 おのずと言葉が湧いてくる人ですが、 萌音の場合は絞り出さないと書けないそうです。 でも、 いずれは岩谷時子や由貴ちゃんのように、 ミュージカルの作詞や訳詞もできるのでは? ◇ いまの萌音は、 歌唱力が向上したせいもあり、 「スタジオ録音よりもライブで聴きたい」 と思わせる数少ない歌手のひとりになりました。 先日はNHKうたコンで「風」を歌ってましたが、 CDでは味わえないふくよかな表現で、 やはりライブで聴くほうが歌の上手さが際立ちます。 曲にもよりますが、 よくもわるくも、 CDの音源が物足りなく感じてしまう面はある。 ミュージカル歌手ってこともあり、 狭いスタジオのなかで歌うよりも、 広いステージで体を使って歌うほうが向いてるよね。 ◇ すでに去年の記事には、 ↓先行シングル「ひかりのあと」について書きましたが、 https://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/202310260000/ とた作曲の「アナログ」もかなりお気に入り。 わたしが過去曲でいちばん好きなのは、 宗本康兵が作曲した「土砂降り」なのだけど、 この「アナログ」もミディアムテンポの洒落たポップス。 萌音の日本語の乗せ方も洋楽っぽくて面白い。 そして、もうひとつのシングル、 大橋トリオが作曲した「スピカ」が素晴らしい! タイトルが、 3年前のシングル「スピン」と紛らわしいけど、 まったく趣の異なるフォーキーな雰囲気の曲です。 等身大の世界を歌った曲が多いなかで、 この曲だけが壮大な人生観と宇宙観を描いて、 アルバムのなかで異彩を放ってます。 アニメの主題歌ですが、 この路線ならドラマの主題歌にしてもいいですね。 萌音としては新境地で、 過去のレパートリーにはなかったタイプの曲。 「Little Birds」や「ミルクとシュガー」もそうですが、 萌音の新しい音楽世界は、 つねに大橋トリオによって開かれる感じがある。 ◇ 萌歌の「adieu4」。 わたしのお気に入りは、 PORINが作曲したシングル「背中」と、 崎山蒼志が作曲した「ほしくず」ですね。 どちらもキャッチーで軽快なポップス。 比喩根が作曲した「心を探している」も、 日本語の「…ている」という音韻を、 洋楽的な発想でメロディに乗せてるのが斬新。 ちょっと異色なのは、 インドネシアポップみたいな「わたしはまやかし」と、 いきなり野太い男声コーラスで度肝を抜く「ソウルメイト」。 小袋成彬が作曲した「Roulette」はいっそうソウルっぽく、 変態エロソウルの世界にまた一歩近づいてる感じですw 一昨日の記事にも書きましたが、 川谷絵音が作曲した「泡吹」は花の名前。 萌歌としては「ダリア」につづく花の曲。 農大卒の川谷の植物の知識が活かされてる。 泡吹は、紫陽花と同じように、 梅雨の時期に小さな粒のような花を群れ咲かせます。 花言葉は「小さな勇気」。 サビの歌詞の「ポツリポツリ」は、 たぶん雨の擬音語であると同時に、 粒のような花の擬態語でもあるのでしょうね。 ◇ 明るくてポップな印象のアルバムで、 すぐにサビの部分を口ずさめる曲も多いけれど、 よくよく細部まで確認すると、 メロディがとんでもなく複雑で難しい曲ばかりです! はたして萌歌は、 譜面を見ながら歌ってるのか、 デモを耳で覚えて歌ってるのか分かりませんが、 よくぞこれを歌いこなせるな…と感心せずにいられない。 最近のJ-POPの傾向かもしれませんが、 ヒゲダンや星野源の曲なども、 とてもカラオケじゃ歌えないような、 複雑で覚えにくくて難しい曲が多いよね…(^^; ◇ 曲調の明るさとは裏腹に、 歌詞の世界観もけっして明るいわけじゃない。 そのうえ、 歌詞も覚えにくくて長いものばかりだから、 これをライブで歌うのは至難の技なのでは? メロディの難しさという点でも、 歌詞の難しさという点でも、 アーティスティックな攻めの姿勢は崩してないし、 むしろ進化してるんだろうなと思います。
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最終更新日
2024.12.03 13:33:27
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