カテゴリ:NHK朝ドラ
朝ドラ「おむすび」第12週。
登場人物がみんな、 それぞれに仕事での挫折を味わう内容。 先週までの専門学校のパートが、 いまひとつ見どころに欠けたのもあり、 今週はかなり面白く感じました。 ◇ 社員食堂に勤めた結だけでなく、 野球部のヨン様も、 AI企業の陽太くんも、 床屋経営の父も、 みんな仕事上の困難に直面しました。 ◇ いちばん絶望的な挫折を味わったのは、 選手生命が絶たれるかもしれないヨン様。 高校生のときは、 甲子園で負けてもポジティブだったのに、 さすがに打ちひしがれてますね。 肩を痛めてるのを隠して、 わざわざチームメイトと対決する展開はベタだったけど、 スポーツ選手にとっての怪我は、 人生を左右するリアルな問題にちがいない。 令和の現在なら、 誤った練習やプレーで負った怪我について、 指導者の責任も問われかねないと思いますが、 時代はまだ平成なので、 たんなる「不可抗力」で済まされてしまいそう。 ◇ 一方、 職場でのパワハラに直面した結。 令和の現在なら、 訴訟案件になりかねないくらい、 とんでもなく露骨なパワハラでした。 あれで退職しなかったのは、 ヨン様や両親が精神的な支えになってくれたから、 …ってのもあるけれど、 案外、高校時代に鍛えたギャルマインドで、 ヨン様をも凌ぐほどポジティブになったから、 …かもしれません。 新人は上司に意見をすべきかどうか。 父と母のアドバイスが真逆だったのも、 なかなかリアリティがあって面白かったです。 ◇ 立川を演じた三宅弘城の演技は、 コミカルでありながら、 平成パワハラ上司の描写がかなりリアル。 外面は愛想がいいのに、 内輪ではやたらと横柄なパワハラ上司です。 厚労省が定めるパワハラ6類型のうち、 すくなくとも太字4つに該当してました。 1)身体的な攻撃 2)精神的な攻撃 3)人間関係からの切り離し 4)過大な要求 5)過小な要求 6)個の侵害 ◇ 最後は、 結の失敗をフォローして代わりに謝罪するなど、 上司らしさを見せたつもりかもしれませんが… 平成ならともかく、 令和の現在から見れば、 あそこまでが全部「パワハラ」だと思います。 つまり、 わざと過大な要求をして失敗させ、 それをフォローすることでマウントを取り、 部下に恩を着せるってやつですね。 あれで「上司らしさ」が示せたと考えてるなら、 それはまったく時代遅れってこと。 ◇ 立川は、 結に日替わり定食の献立を作らせましたが、 そこで指示したのは「原価設定」だけで、 調理時間や役割分担の設定までは指示してない。 だから、失敗するのは当然で、 部下が謝る理由はどこにもありません。 そこまでを事前に予測させなかった上司の責任。 大企業なら許されない失敗です。 本来なら、 上司と部下が対等に協議して、 調理時間を予測したうえで分担を決めるなど、 きちんとした準備が出来るはず。 前もって情報を共有し、 上司と部下が対等な立場で取り組む意識が欠けてる。 ◇ その意味でいえば、 やはり母が父に言ったことが絶対的に正しい。 > 私はお父さんの "下で" 働いてるんじゃなくて > お父さんと "一緒に" 働いてるの。 この「一緒に働く」という発想があれば、 父の場合も、立川の場合も、事前に防げた失敗でした。 ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.12.22 07:20:08
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