カテゴリ:プレバト俳句を添削ごと査定?!
初蹴りはハットトリック初雀 船出かなより良い明日へ冬の朝 迎え春日当たる場所へ25の壁 初神籤花びら見据え徒手空拳 寒空にせ~ので見るよ恋模様 冬晴れや吉凶よりも腹の虫 枝数多吉凶咲くや初みくじ 笹飾る巫女のあかぎれ残り福
1月9日のプレバト俳句。 お題は「おみくじ」。 今回は、 ほとんどが比喩を用いた心情句。 客観写生の基本に則った実景句が少なく、 正月早々、惨憺たる結果でした…(^^; ![]() ◇ SixTONES髙地。 初蹴りはハットトリック 初雀 唯一、この句だけが、 客観写生の原則にもとづいた実景句でした。 作者によれば「ha」の頭韻は偶然らしい。 ネット情報によれば、 新年のサッカー練習を「初蹴り」と呼ぶそうで、 それを新しい季語と考えるなら、 季重なりと見えなくもありません。 ちなみに「蹴鞠始けまりはじめ」は新年の季語です。 ◇ 鬼越トマホーク金ちゃん。 船出かな より良い明日へ冬の朝 初みくじ 船出のごとき朝の風(添削後) 原句は、 「船出」が年始の比喩で「明日」が未来の比喩。 そして「より良い明日へ」は作者の心情。 実景が「冬の朝」だけなので描写性に乏しい。 ◇ 伊原六花。 迎え春 日当たる場所へ 25の壁 おみくじを結ぶ春日の当たる場所(添削後a) 春の日や 25歳の壁に立つ(添削後b) これを実景句として解釈するなら、 「25枚の壁を日向に移動する」みたいな意味になりますが、 作者の説明を聞くに、これは三段切れの心情句です。 つまり、実景が皆無。 また、 上五・中七はポジティブな印象なのに、 下五の「壁」がネガティブな障害の比喩に見えるので、 全体の句意が分かりにくいのも欠点。 なお、 日本語に「迎え春」という単語は存在しませんが、 かといって「春迎え」としたら春の句になるので、 新年の句なら「迎春や」と書くのが正解でしょう。 添削は両方とも春の句に直してますが、 それだと作者の意図に反するのでは? ◇ 大友康平。 初神籤 花びら見据え徒手空拳 徒手空拳 花のごとくに初神籤(添削後) 原句は、 「初神籤」と「花」の季重なりですが、 「花びら」は結んだおみくじの比喩なので、 それについては大目に見ることも可能。 下6の「徒手空拳」とは、 武器をもたずに立ち向かうことですが、 少林寺の初詣じゃあるまいし、 武器をもっておみくじを引く人などいないのだから、 何故わざわざ「徒手空拳」と言う必要があるのかが謎。 結果として、 「花びら」が比喩であり、 「徒手空拳」が実質的には心情なので、 やはり実景の描写性に欠けます。 ◇ みりちゃむ。 寒空にせ~ので見るよ恋模様 それぞれの恋のぞき込む初みくじ(添削後) これが最下位でしたが… 実景を詠もうとした姿勢においては、 上記の3句よりマシな内容に思えます。 季語を「初空」「初御空」などに替えて、 下五で「恋模様」という比喩を使わずに、 初御空 せ~ので見るよ恋みくじ のように直せば、 60点以上の凡人評価にはなると思います。 ◇ 森迫永依。 冬晴れや 吉凶よりも腹の虫 冬晴れや 吉凶わらふ腹の虫(添削後) めずらしく客観写生の原則を無視して、 主観的な心情句を詠んでますが… それが裏目に出て1ランク降格でした。 おみくじを引いた場面とは分かるけど、 やはり実景描写としての魅力に乏しいし、 わたしも過去イチ出来が悪いと思う。 深読みすれば、 初詣の行列に並び疲れて、 おみくじを引いた頃には、 お腹がペコペコってことかもしれません。 しかし、下五の「腹の虫」は、 《空腹》なのか《腹立たしさ》なのか、 一読しただけでは判別しにくいよね。 ◇ 梅沢富美男。 枝数多あまた吉凶咲くや 初みくじ 吉凶を咲かせ初みくじの御空(添削後) 「枝に数多の初みくじ」の描写に、 「吉凶が咲く」という比喩を重複させた無内容な句。 ◇ 清水アナ。 笹飾る巫女のあかぎれ 残り福 恵比須さまの福笹を飾ってるのね。 作者の地元の兵庫なら、 西宮神社の十日戎3日目でしょうか。 しかし、その「残り福」が季重なりになった。 上五・中七の実景は十分に魅力があるし、 下五の季重なりさえ修正すれば、 才能アリを取れた内容だったと思います。
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最終更新日
2025.01.17 07:24:41
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