カテゴリ:プレバト俳句を添削ごと査定?!
余寒なおネオンに浮かぶ獅子の影 かりんとの小枝にふわり粉雪 冬の音輝くネオン銀座色 冴返る末席汚す祝賀会 帰らなきゃ帰したくない雪催 粉雪に恋する銀座資生堂 湯の里の小さき銀座に春の雪 鐘鳴りて仰ぐ銀座は旧正月
2月6日のプレバト俳句。 お題は「雪の銀座」。 ![]() ◇ 梅沢富美男。 湯の里の小ちさき銀座に春の雪 地方の町の風情と、 作者の愛情がちゃんと感じられます。 兼題が「銀座」でも、 東京の銀座を詠まないのはさすが。 なかなか好調なのでは? ◇ 清水アナ。 鐘鳴りて仰ぐ銀座は旧正月 和光の時計塔だよね。 句材は悪くないのだけど、 最後に焦点を合わせた「旧正月」に、 具体的な映像がないのは惜しい。 語順を入れ替えれば、 春節の銀座や 空に昼の鐘 のような映像的な句になる。 もちろん朝でも夜でも可。
◇ 新浜レオン。 余寒なお ネオンに浮かぶ獅子の影 余寒なお ネオンに獅子の影著しるし(添削後) これが1位でしたが、 「なお」「浮かぶ」「の影」の8音は省略可能だし、 たんに「ネオンに獅子」と書いただけでは、 ・都会の動物園のライオン ・エジプトのスフィンクス ・神社の狛犬 などの誤読がありえるので、 最低でも「銀座」or「三越」などの情報は必要です。 ![]() ためしに、 街の灯ひの獅子像 冴え返る銀座 としてみました。 ◇ 渡辺満里奈。 かりんとの小枝にふわり粉雪よ かりんとの小枝よ 街の粉雪よ(添削後) 原句は、 「舞い落ちる」の5音を、 「ふわり」の3音で効率的に描写してる一方、 わざわざ「かりんと」を「小枝」と比喩するのは、 あまり意味のない重複です。 添削句のほうは、 《かりんとうが小枝に見える》と詠嘆したあと、 粉雪の映像を分離した二句一章。 原句のようにクローズアップで、 粉雪とかりんとうだけを写生するなら、 ひとひらの粉雪ついたかりんとう とも出来ますが、 そこに街の情報を加えるなら、 かりんとにふわり粉雪 街歩き とも出来る。 もちろん、 粉雪とかりんとうを分離すれば、 粉雪の銀座 かりんとうをひとつ のようにも出来ます。 ◇ 鈴木梨央。 冬の音 輝くネオン銀座色 銀座色のネオンや 冬の音を聴く(添削後) 中七の「輝く」が、 終止形か連体形か分からないし、 リズム的に三段切れです。 写生句として、 「銀座色」「冬の音」と書いてはいるものの、 視覚的にも聴覚的にも具体性がない。 強いていえば、 「冬の音」はクリスマスを連想させるけど、 それはおもに鈴の音だしね。 添削句のほうは苦肉の策なのか、 《音のないものに音を聴き取る》 というニュアンスで書いてるけど、 いわゆる「冬の足音」と解釈されたら、 晩秋の句のようにも誤読されかねない。 ためしに、 冴え返りざわめく通り 銀座の灯ひ としてみました。 ◇ さや香新山。 冴返る 末席汚す祝賀会 末席にゐて春愁の祝賀会(添削後) 上五の「冴返る」は、 終止形か連体形か分からない。 中七は慣用句なので、 《汚さない末席があったらもってこい!!》 …ってことですね。 添削案は妥当ですが、 原句の季語を尊重するなら、 末席に笑ふ祝賀会の余寒 のようにも出来ます。 ◇ 小手伸也。 帰らなきゃ帰したくない 雪催 帰したくなくて雪催のホーム(添削後) 前段のフレーズが昭和歌謡じみてるし、 リズム的に三段切れです。 添削案は悪くないけど、 田舎の駅の場面に見えてしまうかも。 銀座の駅って地下にあるだろうし。 素直に「ホーム」でなく「銀座」と書くべきでは? 男性視点なら、 君を引き留める雪催の銀座 とも出来るし、 女性視点なら(上6字余りですが)、 雪催の銀座 引き留められる夜 のようにも出来ます。 ◇ 立川志らく。 粉雪に恋する銀座資生堂 原句は「銀座資生堂」の擬人化。 しかし、 どうにも中七が昭和歌謡じみてて、 安っぽいコピーライトに見えます。 こんなダサい俳句を、 資生堂に売り込んでも買わないよ。 なお、 擬人化を排して、 作者を主人公にするならば、 粉雪に見惚れて銀座資生堂 のようになるはずです。 ![]() ▽過去の記事はこちら https://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/ctgylist/?ctgy=12 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.02.11 06:04:05
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