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まいかのあーだこーだ

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2025.02.16
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NHK-FM「クラシックの迷宮」を聴きました。

去年の再放送。
テーマは《山田太一・木下恵介・木下忠司》。



クラシックの曲はまったく流れなかったけど、
知らないことだらけで面白かったです。

話の内容は、
木下惠介&忠司の兄弟にはじまり、
木下美智子がイタリアから持ち込んだ「カリメロ」やら、
ミッキー吉野・宇崎竜童・桑田佳祐にまで及ぶ。

そもそも山田太一が、
松竹の助監督だったことすら知らなかった…(^^;
見るからに映画監督ってキャラじゃないよね。
それはまあ、山田洋次にも言えるんだけど。



山田洋次と同じく、
3つ年下の山田太一も、
1960年代の前半に松竹に入ったものの、
映画産業はテレビに押されて斜陽の時代。

しかし、
大島渚や吉田喜重らの、
松竹ヌーベルバーグみたいな変革に交わるでもなく、
かといって、山田洋次みたいに、
小津安二郎の直系みたいな映画監督になるでもなく、

山田太一の場合は、
木下惠介&忠司兄弟と一緒にTBSに移って、
テレビでホームドラマの脚本家になったわけですね。



山田太一が、
歌や音楽を物語の重要なモチーフにして、
歌の尺に合わせてドラマを作っていった手法は、
木下惠介&忠司との仕事から学んでる。

兄の脚本に合わせて弟が音楽を作り、
弟の音楽に合わせて兄が演出をする。
木下兄弟の映画制作はそういう共同作業だったっぽい。

木下惠介の映画といえば、
フラメンコを使った『永遠の人』の印象が強いけど、
今回はその話は出ませんでした。



山田太一も、
既存の曲を積極的にドラマに使用したし、
主題歌や劇中歌にはみずから詞を付けた。

これって、
岡田惠和なんかにも受け継がれてるよね。

朝ドラ『おひさま』のインストのテーマ曲に、
岡田が詞をつけて平原綾香に歌わせたのは、
山田太一の朝ドラ『藍より青く』を真似てる。

もとをただせば、
岡田惠和も松竹の系譜なのねw

昔、ナンノが「耳をすましてごらん」を歌ってて、
なんだか陰気な歌だなあ…と思ってたんだけど、
あれも山田太一が作詞した『藍より青く』の曲でした。



今回の番組では、
山田洋次の話は出ませんでしたが、

2人の山田は『キネマの天地』で一緒に仕事をしてます。

笠智衆や中井貴一を起用するところにも、
2人の山田には《松竹の系譜》が受け継がれてる。



その一方、山田太一には、
たんに松竹の伝統を受け継ぐだけでなく、
新しい時代を鋭敏に察知する先見性があった。

当初はサザンオールスターズなんて、
ふざけたコミックバンドだと思われてたのに、
その曲をドラマのモチーフにしようって発想は、
いまにして思えば、すごい先見性だよね。

すでにサザンの1stアルバムのなかに、
若者の焦燥感や切なさを見て取ってたわけです。

そういう新時代を読み取る感性が、
小室等やミッキー吉野や宇崎竜童との仕事にも、
ジャニス・イアンの既存曲の使用にも結びついてる。

もしかしたら、
早稲田の大学時代に、
寺山修司のアバンギャルドな感性に遭遇したのも、
松竹の伝統には収まりきらない部分だったのかも。


今回のオンエアリスト
ジャニス・イアン「ウィル・ユー・ダンス」(ジャニス・イアン/ジャニス・イアン)
サザンオールスターズ「いとしのエリー」(桑田佳祐/桑田佳祐/新田一郎)
二十四の瞳OST「仰げば尊し」(文部省唱歌/木下忠司)
カルメン故郷に帰るOST「そばの花咲く」(木下忠司/木下忠司)
高峰秀子「カルメン故郷に帰る」(木下忠司/黛敏郎)
女の園OST「女の園」(木下忠司/木下忠司)
喜びも悲しみも幾歳月OST「喜びも悲しみも幾歳月」(木下忠司/木下忠司)
小坂一也「記念樹」(木下忠司/木下忠司)
あおい輝彦「二人の世界」(山田太一/木下忠司)
中新井節子「それぞれの秋」(山田太一/木下忠司)
東京コンサーツ「藍より青く」(湯浅譲二)
本田路津子「藍より青く」(山田太一/湯浅譲二)
本田路津子「耳をすましてごらん」(山田太一/湯浅譲二)
小室等「お早うの朝」(谷川俊太郎/小室等/ムーンライダース)
ゲオルゲ・ザンフィル「思い出づくり」(小室等)
山崎リナ「ぼくはカリメロ」(よしだたけし/木下忠司)
八奈見乗児/緒方賢一/つかせのりこ「ペペーズ・ソング」(山田太一/木下忠司)
山崎リナ「好きなのプリシラ」(山田太一/木下忠司)
ミッキー吉野グループ「男たちの旅路」(ミッキー吉野)
東京コンサーツ「今朝の秋」(武満徹)
井上陽水「少年時代」(井上陽水/平井夏美/星勝)
ダウンタウン・ファイティング・ブギウギバンド&小松一彦指揮N響「獅子の時代」(宇崎竜童/坪能克裕)








なお、
イタリア産の「カリメロ」は、
スウェーデン産の「ムーミン」の成功を受けて、
二匹目のドジョウを狙ったアニメだった、
…って話も知りませんでした。





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最終更新日  2025.02.18 18:21:48


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