カテゴリ:東宝シンデレラ
NHK「みんなのベスト紅白」を見ました。
いちばんの見どころは、 萌音×AIのデュエット「アルデバラン」だった。 ◇ 先日(…というか先月)の、 The Covers「広島フェス」もそうでしたが、 全体的な人選もふくめて、 音楽的なクオリティの高さを重視してる感じ。 広島フェスもすごく聴き応えがあって、 なにより演奏してる人たちが楽しそうでした。 NHKのポップス部門は、 何かしら構造改革があったのかしら?…って気もする。 ◇ 萌音の歌の上手さについては、 いまさら言うことでもありませんが、 もともとハモリが得意だったし、 相手とぶつからない声質だから、 それなりにデュエットが出来るとは思ってた。 でも、昨日のパフォーマンスは、 たんに「ハモれてた」だけでなく、 全体の音を共振させてたし、 ソウル・ゴスペル的な掛け合いも上手くて、 一段と進化を感じさせるものでした。 武道館やロンドンの舞台に立っただけの度胸もある。
◇ もともと日本の歌手って、 全般的にデュエットは下手だよね。 それは、たぶん、 西洋的なハーモニーの文化がないからだと思うけど、 音階的にはハモれても、 声質がぶつかったり、 ビブラートがバラバラだったりして、 重なった音が汚くなる場合が多い。 自分の歌にばかりとらわれて、 全体の音を共振させる発想が出てこない。 たいていのデュエット企画は、 歌番組の話題性を狙っただけのもので、 音楽的な質を目指したものにはなりません。 フォークソングとか、 ソウル・ゴスペルをやってる人なら、 それなりにデュエットも学ぶだろうけど、 それでも、 日本の歌手で「デュエットが上手い」と思える人は少ない。 ◇ 先日のThe Coversの広島フェスでは、 田島貴男のパフォーマンスが圧巻でしたね。 もともと彼は何を歌わせても上手いけど、 世良公則とのデュエットもすごく上手だった。 日本であれだけデュエットの上手い人は、 ちょっと他には思い浮かばない。 共演する相手の特性を考慮して、 全体を見渡したディレクションが出来るからでしょうが、 もしかしたら、 NHKの制作側のディレクションも向上してるのかも。 ◇ 田島貴男がソロで歌った、 矢沢永吉の「I love you, OK」も、 ブルース的な解釈で生まれ変わらせて、 率直にいえばオリジナルを超えてたし、 田村芽実の「Don't wanna cry」も、 歌の説得力はオリジナルを凌いでました。 カバー曲がオリジナルを超えるのは、 なにやら不遜なことのように思われがちだけど、 21世紀のポップスは、 創造の時代から再解釈の時代になってるのだし、 オリジナルを超えるカバーが出てくるのは当然。 むしろ、そうあらねばならない。 ◇ そういえば、 ラブサイケデリコの「Imagine」の話も面白かったな。 もしビートルズが解散してなければ、 ジョンじゃなくビートルズの曲だったかも…ってこと。 実際、ラブサイケデリコのカバーは、 ポールがピアノを弾いて、 ジョージがギターを弾くのを想像させる演奏でした。 ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.03.26 04:34:09
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