カテゴリ:ドラマレビュー!
TBS「クジャクのダンス、誰が見た?」が終了。
全般的に、 物語も、脚本も、演出もマンガじみてた。 マンガ原作だから仕方ないけれど。 これが原作どおりだったなら、 原作に忠実すぎるのも考えものです…。 ◇ 京子さんが出産した歌ちゃんを、 林川家の娘にして戸籍を捏造したの? そんなこと出来るかしら? かりに戸籍を改ざんできるとしても、 警察は誰が産んだか把握してなかったわけ? つーか、 親類だって、近所の人だって、 奥さんが妊娠してなかったのを知ってるよね。 ◇ 本来なら、 歌の産みの母である京子が、 真っ先に捜査線上にのぼるはずだけど、 それを赤沢と山下が強引に捻じ伏せて、 遠藤力郎に罪を着せて、 最終的には、歌ちゃんを、 山下家の娘にして戸籍を改ざんしたってこと? 赤沢がどこまで知ってたのかも謎だけど。京子の通帳の大金も謎だし…。 赤沢と山下は、 産科の阿波山夫妻とも共謀してたのだから、 阿波山夫妻が嘘を吐かないかぎり、 あるいは京子が身分を偽装しないかぎり、 歌の実母が京子であることは把握できるはず。 ◇ 事件現場で、山下春生は、 歌ちゃんを1階から2階へ移動しましたが、 現場保全義務を破ったことを隠すべく、 遠藤力郎の冤罪に加担したとすれば酷すぎる。 そもそも、 現場の保全より生存者の保護を優先させるなら、 それなりの正当な理由や手続きがあるはずよね。 写真を撮るとか、上司の許可を取るとか。 ◇ 春生は、 生前に真犯人に辿り着いてたのに、 その情報を記者の神井にも共有せず、 謎めいた手紙だけを小麦に残したのは、 わざわざ遠回りな探偵ごっこをさせただけ。 まあ、ドラマだから、 多少のご都合主義があってもいいけど、 サスペンスの前提部分がご都合主義すぎる。 ◇ ご都合主義といえば、 もともと畳屋だった染田が、 いきなり筆跡を偽装する技を見せたり、 ラーメン作りが出来たりするのも意味不明。 そういうところにも、 マンガじみたご都合主義を感じました。 ◇ ヤメ検弁護士の鳴川のことは、 たぶん暗闇指令みたいに描きたくて、 顔出しせずに声色も変えてたんだろうけど、 これまた漫画じみててわざとらしかったし、 林川家の名誉のためとはいえ、 家族の死体をぜんぶ階段に吊るしたのも、 いかにも漫画じみたコケオドシで、 ほとんど無意味な演出としか思えません。 ◇ 無理のある後出しジャンケンも多すぎた。 検事時代の鳴川が、 林川事件を担当してたことや、 阿南検事の父親であることは、 松風が素性を調べれば分かるはずだよね。 それから、 当初は友哉と敬語で話してた神井が、 途中からタメ口で話しはじめて、 「じつは幼馴染の親友でした」ってのも、 いかにもわざとらしい後出しです。 ◇ けっこう凄惨な話だったので、 あまり暗くなりすぎないように、 コメディタッチで演出したのは分かるけど、 そのコメディ部分も、 さして面白かったわけではなく…(^^; ウケ狙いの台詞も、 ウマいこと言ったっぽい台詞も、 全般的にスベってた感じがありますね。 日本語として変な台詞もあったし、 「粋だ」とか「粋じゃない」とかも、 いまいち意味が分からず、面白くもなかった。 ◇ 阿南検事が父を憎んでたとか、 京子の弟が貧しくて死んだとか、 貧乏だった神井が人を信じてないとか、 いかにも重たげなエピソードを並べて、 ヒューマンドラマっぽくしてましたが、 どれもこれも描写が上っ面で薄っぺらいし、 そういうところも子供だましで漫画っぽい。 やっぱり、 漫画原作に沿って機械的に脚本にしたり、 その脚本に沿って機械的に演出するだけじゃ、 映像作品のリアリティは出てこないのよね。 脚本や演出の段階で、 細部への想像力を膨らませなければ、 映像的な描写力は十分に発揮されないってこと。 ◇ そういえば、 染田の水死体も、 まったく水死体に見えなかったし、 染田の離婚のエピソードも、 帰宅して「ただいま」を言う前に、 妻に不渡りのことを言わなかった、 …みたいな話でしたが、 これも細部の描写力が弱くて説得力に欠けた。 ◇ ◇ ◇ あ! 磯村勇斗の演技は素晴らしかったです。 唯一、彼だけが、 漫画でなく実写の世界を生きてた…って感じ。 前日の夜に終わったドラマの調査結果が、 翌朝6時に出るって…。いつアンケート取ったわけ?
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最終更新日
2025.03.29 13:37:06
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