カテゴリ:アストリッドとラファエルの背景を考察。
アストリッドとラファエル5~文書係の事件録。
第1〜2話の「毒ヘビ」前・後編を見ました。 ◇ 誘拐された子は救出できましたが、 殺し屋だった母親はたぶん終身刑よね。 そして、ラファエルは流産。 テツオはフランスを去って、 アストリッドは幼馴染の幻影に怯えて倒れる、 …という不穏な内容でした。 ◇ 事件の真相は、以下の会話に要約されてます。 ノラ:エミリー・ブラッドウェイは偽名。本名はケリー・クラーク。元アメリカ軍勤務で、去年、シリアでの米兵による民間人への権力乱用を告発しました。 米軍の戦争犯罪を告発したケリー・クラークは米国人女性。 彼女を監視していたCIAのアシュレイ・オマハも米国人女性。 アシュレイを殺したカミーユ・シカールはフランス人女性。 首謀者のアキレス(本名マルク・ヴァソア)だけが男性。 彼はフランスの情報機関DGSEのアシスタントだった。 ◇ ケリー・クラークが告発した、 米軍の戦争犯罪の元ネタはこれですね↓。
シリア空爆で女性や子供含む80人殺害、米軍が事実隠蔽…米紙報道 おそらく今回のテーマは、 国家から《子供を守る》ということ。 ケリー・クラークは、 シリアの子供を殺害した米軍の犯罪を告発した。 彼女を逃亡させたDGSEのマルク・ヴァソアは、 カミーユ・シカールの息子を誘拐したものの、 けっして子供を傷つけてはいなかった。 カミーユ・シカールは、 誘拐された我が子を守るため暗殺を請け負った。 つまり、 犯罪者の全員が、子供を守るために行動してる。 ![]() ![]() ◇ 物語の最後は、 ラファエルの流産という結末に終わる。 カミーユ・シカールの息子を守ろうとして、 階段から転げ落ちてしまったから。 ある意味、 ラファエルのお腹の子供は、 米仏関係を優先させたフランス情報機関の犠牲者、 …ともいえる。 国益のために子供が殺されて、 子供を守ろうとする犯罪者が国に裁かれる矛盾。 ![]() ◇ …とはいえ、 懲役15年を受けた米国人女性を逃亡させるために、 国家の機密情報を悪用して、 誘拐や殺人まで企てたマルク・ヴァソアの動機は、 やや理解しがたいところもある。 それについてのノラとニコラの会話。 ノラ :ふつうは実行しないでしょう?赤の他人のために。 実際、 ケリー・クラークはとても美人でした。 やはり恋愛感情があったのかもしれません。 ニコラ自身も、 最後にケリー・クラークを逃がしたとき、 それに近い感情を抱いたのでは? ![]() ◇ なお、 フランスの情報機関DGSEは実在の機関で、 Wikipediaによれば、 情報収集および作戦総局内には、CIAのSACに相当する準軍事組織としてSA(サービスアクション/行動部門)があり、秘密作戦、非合法作戦、特殊作戦、破壊工作、人質救出、標的誘拐・暗殺、工作員等の隠密潜入および脱出支援、軍事基地や原子力発電所等の安全性評価テスト等を実行するための特殊部隊を運用している。…とのことですが、 はたして、 殺し屋を利用するために野放しにしておくなんて、 (テロリストやマフィア撲滅のため?) そんなことが本当にあるかどうかは分からないし、 死刑が廃止されてるフランスで、 (たとえ正当防衛の名目だとしても) 公共の図書館のなかで四方から銃撃なんてことも、 きっとドラマだけの話だろうとは思います。 でも、米仏関係を優先するためなら、 そういうパフォーマンスも辞さないってこと? ![]() ◇ 余談ですが… 主犯のマルク・ヴァソアは、 H・P・ラヴクラフトの小説を愛読してたようで、 彼のニックネームとログインIDは、 それぞれ「アザトース」と「ハスター」だった。 いわゆるクトゥルフ神話において、 アザトースは《神々の始祖》であり、 ハスターは《邪神》を意味するそうです。 https://ja.wikipedia.org/wiki/アザトース https://ja.wikipedia.org/wiki/ハスター このドラマお得意の、 ちょっとオカルトっぽいエピソードですね。 カミーユ・シカールの息子が、 まるで女の子みたいだったのは、 《ラヴクラフトが幼少期に女装させられてた》 …ってことにちなんでたのかも。 ◇ それから、 カミーユ・シカールの暗殺方法は、 CIAの「ハートアタックガン」が元ネタだったかもしれません。 ハートアタックガン(heart attack gun/心臓発作銃) ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.05.14 22:40:40
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