カテゴリ:NHK朝ドラ
NHK「あんぱん」第7週。
戦時中の男女の確執をとおして、 都市と地方のちがいを対比的に描いてます。 ◇ 地方では、 女子師範学校の教師はもちろん、 石屋の釜爺も、団子屋のおやじも、 みんな日本の軍国主義に疑問をもってません。 のぶは、 親友のうさ子ちゃんとはちがって、 はじめは軍国主義教育に馴染めなかったけど、 豪ちゃんが出征したのをきっかけに、 慰問袋づくりの活動を主導しはじめて、 いまやすっかり「愛国の鑑」になってしまった。 ◇ かたや、 東京の銀座あたりでは、 大正以来のモダニズムの文化があって、 国際主義的・進歩主義的な考えの人たちが多い。 東京芸術学校の先生はもちろん、 かつて銀座のパン屋に勤めてたヤムおじさんも、 日本の軍国主義に嫌悪感をもってます。 嵩も、そういう都会のモダニズムに影響を受けてる。 ◇ ところが、 地方の人間にしてみれば、 そういう都会の気取ったモダニズム文化が、 チャラチャラしたものに見えるわけですね。 それがのぶと嵩の確執になってる。 ![]() おそらく戦争末期になっても、 被害の大きかった都市部では、 早い時期に厭戦気分が強まったはずですが、 被害の小さかった地方では、 敗戦ギリギリまで勝利を信じ続けたでしょう。 ◇ でも、これは、 けっして過去の話じゃありませんよね。 戦後の日本でも、 都市では革新系の政党が支持されやすく、 地方では保守系の政党が支持されやすい。 そういう図式は変わってないし、 地方の人間は、 都市部の進歩的な価値観に反感を抱きます。 それどころか、 戦前の価値観が否定されたことにルサンチマンをもち、 あわよくば戦前の価値観を取り戻したいと考える人が、 いまだに日本の地方には存在してるはずです。 ◇ 米国でも、 都市の民主党支持層と、 地方の共和党支持層が、 南北で分断した状況がずっと続いてます。 日本の二大政党でも、 都市の民主党支持層と、 地方の自民党支持層が分断するわけですが、 戦争になれば、 現代の日本でも都市と地方で賛否が割れるはず。 ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.06.03 11:04:30
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