カテゴリ:プレバト俳句を添削ごと査定?!
あと2分長めのパックで冬支度 濡れた髪乾かす隣風薫る 娘らの頬塗る指涼し寝屋の夏 風薫るよもぎに蒸され我シウマイ 肩甲骨羽化薄暑のヨガマット 汗取りの襦袢干されてなお踊る
6月12日のプレバト俳句。 お題は「マイ美容法」。 ![]() ◇ フジモン。 肩甲骨羽化 薄暑のヨガマット 肩甲骨が羽化する…というユニークな比喩。 汗だくのヨガマットでしょうか? どんなヨガポーズなのか想像してしまいます。 ◇ 梅沢富美男。 汗取りの襦袢干されてなお踊る 干されなお踊る舞台の汗襦袢(添削後) 原句は、 作者を知らずに読んだら、 芸者さんの句に見えるかもしれません。 いずれにせよ、 作者が裸で踊ってるのか、 襦袢の擬人化なのかが分かりにくい。 一物仕立ての添削句のほうが、 擬人化なのは明瞭になります。 役者の衣装を舞台に干してるように見えるけど、 まあ、それでもいいんじゃないかしら。 ◇ 清水アナ。 夏暁や 三秒で飲むプロテイン シンプルな型。 まあまあの出来だと思います。
◇ YOU。 あと2分 長めのパックで冬支度 冬の夜や パック長めにあと2分(添削後) 原句の「冬支度」は秋の季語。 添削句の「冬の夜」は冬の季語。 どっちにしても季節外れな句。 原句のほうは、 中八の字余りだけでなく、 全体がセリフ形式の状況説明なのが欠点。 「あと2分」も「冬支度」も映像ではないし、 唯一の映像である「パック」も、 助詞「で」によって冬支度の手段になってる。 添削句のほうは、 上五で映像的な季語を詠嘆し、 後段のセリフから主人公の姿を想像させる形。 なお、 本来なら数は漢字で書くべきだけど、 「二分」は1/2とも2/10とも誤読されがちだし、 この句の場合は、 セリフと考えればアラビア数字も許容できます。 ◇ ニューヨーク嶋佐。 濡れた髪乾かす隣 風薫る ドライヤー使えば風の薫り立つ(添削後) 原句は、 隣の女性が髪を乾かしてる場面に見えます。 かりに女性なら、 具体的に「姉」「妹」「妻」「君」のように書けるし、 「濡れてない髪を乾かす奴がいたら連れてこい!」 と言われるのを避けるなら、 洗い髪乾かす姉や 風薫る のように直せます。 しかし… 作者の説明によれば、 「隣」とは女性じゃなく窓の外のことであり、 《ドライヤーの風と自分の髪のコンディショナーの香り》を、 《屋外の夜風の香り》に掛けてる、とのこと。 それは、すなわち、 「風」と「香り」が重複してるってことだし、 ふつうに考えたら、 ドライヤーの風とコンディショナーの香りは、 初夏の薫風をかき消してしまうはずです。 添削のほうは、 《ドライヤーによって初夏の薫風が立つ》 というロジックですが、 それもまた無理があって共感性に乏しい。 「風」と「香り」の重複を排せば、 ドライヤに香るシャンプー 宵涼し のように出来ます。 ◇ 菅井友香。 風薫る よもぎに蒸され我シウマイ 温活や 蓬に薫り立つ蒸気(添削後) 蓬蒸し療法を焼売に見立てた比喩の句。 上五に動詞の季語を置くと、 終止形か連体形か分かりにくいので、 風の香や 焼売のごと蓬蒸し のように直せますが… これも嗅覚情報が重複してるので、 蓬の香りが初夏の薫風をかき消してしまうはず。 なお、 「蓬」は春の季語で、 「風薫る」は夏の季語ですが… はたして「蓬蒸し」が季語かどうか微妙だし、 春の風 焼売のごと蓬蒸し のようにすれば、嗅覚情報は重複しません。 添削のほうは「蓬」を季語としてますが、 たんに蓬蒸し療法を説明しただけの句に見える。 ◇ 近藤千尋。 娘こらの頬塗る指涼し 寝屋の夏 眠る子らの頬にクリーム 月涼し(添削後) 原句は「夏」と「涼し」の季重なり。 娘の頬に何を塗ったのかも分からない。 てっきり、 蚊帳のなかでムヒを塗ったのかと思いましたw 添削句のほうは、 「眠る子の」もしくは「寝る子らの」とすれば、 字余りを解消できますが、 幼い子供がケーキを食べたあと、 顔に生クリームをつけてるとも誤読できるので、 子の顔に塗るクリームや 指涼し と直してみました。 ▽過去の記事はこちら https://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/ctgylist/?ctgy=12 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.06.18 16:07:07
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