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カテゴリ:NHKよるドラ&ドラマ10
夜ドラ「ミッドナイトタクシー」。
何だかよく分からないのに、 なんとなく面白いエピソードが続いてて、 ついつい引き込まれるんですが… なかでも、 筒井真理子の登場した第19〜20話は神回でした。 (NHK ONEの配信は終わってます) ◇ 道端に、 鎌田ちひろ(筒井真理子)という認知症の女性が倒れてる。 手書きの地図をもって「ミチさん」の家へ行こうとしてる。 彼女の時間は23才の頃の結婚前日で止まってる。 そして象子(古川琴音)のことを「ミチさん」だと思い込む。 高校を卒業して「ミチさん」と離れた後は、 喫茶店でクリームソーダをたくさん運んでたらしい。 それが「ミチさん」の大好物だったから。 甘いものに甘いものを入れるクリームソーダ。 同性の「ミチさん」に恋をしてたかどうかは分からない。 タクシーが到着すると、 なぜか「ミチさん」の家はブライダルショップになってる。 実家の場所で「ミチさん」が開業したのか? それとも「ミチさん」はどこかへ嫁いでしまったのか? そこへ、 ちひろの息子(武田航平)が「鎌田です」と言ってやってくる。 「鎌田」というのは、ちひろの結婚相手の名前ですよね。 きっと瓜二つの息子は認知症の母の前で結婚前の父を演じてる。 ![]() しかし、 ちひろは「鎌田」を見るやソッポを向いて逃げてしまう。 おそらく「鎌田」とは強いられた望まない結婚なのね。 だから結婚前にもういちど「ミチさん」に会いたかった。 そのことを知って、象子はこう思うのです。 ちひろはきっと「存在できなかった未来」に導かれたのだ。 ![]() でも、ちひろには、その意味が分からない。 23才のちひろには、その未来がまだ来てないから。 そんな彼女に象子はこう語りかけます。 「ちひろさんにはきっとたくさんの幸せが待ってますよ」 その言葉を聞いて、ちひろは納得して帰っていく。 ![]() ちひろは財布にGPSをもたされてましたが… この場所にも何度か来てたのではないかしら? そして、そのたびにウエディングドレスの前で泣き崩れ、 そのたびに「鎌田」を名乗る息子に迎えに来てもらってたのでは? ![]() しかし、 なんどここへ来ても「ミチさん」には会えなかったろうし、 息子も「ミチさん」にはいちども会ったことがない。 そもそも「ミチさん」が生きてるのかどうかも分からない。 夫の「鎌田」だって、もう生きてないかもしれない。 象子は、 高校時代の唯一の友達だった畑中くん(佐久間悠)に会いに行く。 彼が初恋の相手だったかどうかは自分でも分からない。 ![]() 彼は医療過誤で患者を死なせて裁判にかけられようとしてる。 そんな彼に象子はこう語りかけます。 「これからも誰かを救って!人を殺したことに逃げないで!」 すると畑中くんはこう言って笑います。 「そんな話したらもう二度と会えないよ。綺麗に終わりすぎて」 ![]() たぶん象子は、 ちひろにも"綺麗な終わり方"をさせてあげたのだと思う。 だから、ちひろはもう「ミチさん」には会いに来ないでしょう。 そして息子が演じる「鎌田」のことも受け入れるようになるはず。 それは「ミチさん」が幸せな未来を予言してくれたから。 ◇ この物語でいちばん響くのは、 やはり「存在できなかった未来」という言葉。 誰しも「存在できなかった未来」を生きてみたい、 …という痛切な願望や後悔をもってますよね。 だから、 これはいろんな物語のテーマになってる。 わたしはつい大林宣彦のSF映画に重ねてしまうけど。
◇ このドラマは、 乗客との束の間のふれあいの物語なので、 彼らの人生のほんの断片しか見えないし、 その背景は謎めいたブラックボックスになってて、 脚本家がその部分まで作り込んでるのかも分からない。 でも、 すくなくとも今回の第19〜20話にかんしては、 背景までしっかり作り込んであるのを感じました。 ![]()
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最終更新日
2026.07.10 17:21:20
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