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まいかのあーだこーだ

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2026.07.10
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夜ドラ「ミッドナイトタクシー」。

何だかよく分からないのに、
なんとなく面白いエピソードが続いてて、
ついつい引き込まれるんですが…

なかでも、
筒井真理子の登場した第19〜20話は神回でした。
(NHK ONEの配信は終わってます)




道端に、
鎌田ちひろ(筒井真理子)という認知症の女性が倒れてる。
手書きの地図をもって「ミチさん」の家へ行こうとしてる。

彼女の時間は23才の頃の結婚前日で止まってる。
そして象子(古川琴音)のことを「ミチさん」だと思い込む。

高校を卒業して「ミチさん」と離れた後は、
喫茶店でクリームソーダをたくさん運んでたらしい。
それが「ミチさん」の大好物だったから。
甘いものに甘いものを入れるクリームソーダ。
同性の「ミチさん」に恋をしてたかどうかは分からない。

タクシーが到着すると、
なぜか「ミチさん」の家はブライダルショップになってる。
実家の場所で「ミチさん」が開業したのか?
それとも「ミチさん」はどこかへ嫁いでしまったのか?

そこへ、
ちひろの息子(武田航平)が「鎌田です」と言ってやってくる。
「鎌田」というのは、ちひろの結婚相手の名前ですよね。
きっと瓜二つの息子は認知症の母の前で結婚前の父を演じてる。


しかし、
ちひろは「鎌田」を見るやソッポを向いて逃げてしまう。
おそらく「鎌田」とは強いられた望まない結婚なのね。

だから結婚前にもういちど「ミチさん」に会いたかった。
そのことを知って、象子はこう思うのです。
ちひろはきっと「存在できなかった未来」に導かれたのだ。


でも、ちひろには、その意味が分からない。
23才のちひろには、その未来がまだ来てないから。

そんな彼女に象子はこう語りかけます。
「ちひろさんにはきっとたくさんの幸せが待ってますよ」
その言葉を聞いて、ちひろは納得して帰っていく。


ちひろは財布にGPSをもたされてましたが…

この場所にも何度か来てたのではないかしら?
そして、そのたびにウエディングドレスの前で泣き崩れ、
そのたびに「鎌田」を名乗る息子に迎えに来てもらってたのでは?


しかし、
なんどここへ来ても「ミチさん」には会えなかったろうし、
息子も「ミチさん」にはいちども会ったことがない。
そもそも「ミチさん」が生きてるのかどうかも分からない。
夫の「鎌田」だって、もう生きてないかもしれない。

象子は、
高校時代の唯一の友達だった畑中くん(佐久間悠)に会いに行く。
彼が初恋の相手だったかどうかは自分でも分からない。


彼は医療過誤で患者を死なせて裁判にかけられようとしてる。
そんな彼に象子はこう語りかけます。
「これからも誰かを救って!人を殺したことに逃げないで!」
すると畑中くんはこう言って笑います。
「そんな話したらもう二度と会えないよ。綺麗に終わりすぎて」


たぶん象子は、
ちひろにも"綺麗な終わり方"をさせてあげたのだと思う。
だから、ちひろはもう「ミチさん」には会いに来ないでしょう。
そして息子が演じる「鎌田」のことも受け入れるようになるはず。
それは「ミチさん」が幸せな未来を予言してくれたから。



この物語でいちばん響くのは、
やはり「存在できなかった未来」という言葉。
誰しも「存在できなかった未来」を生きてみたい、
…という痛切な願望や後悔をもってますよね。

だから、
これはいろんな物語のテーマになってる。
わたしはつい大林宣彦のSF映画に重ねてしまうけど。





このドラマは、
乗客との束の間のふれあいの物語なので、

彼らの人生のほんの断片しか見えないし、
その背景は謎めいたブラックボックスになってて、
脚本家がその部分まで作り込んでるのかも分からない。

でも、
すくなくとも今回の第19〜20話にかんしては、
背景までしっかり作り込んであるのを感じました。


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最終更新日  2026.07.10 17:21:20


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