鬼滅の「12鬼月」と「9柱」と「鬼舞辻」の由来。
☆「12鬼月」の由来鬼滅の刃には「十二鬼月」と呼ばれる上位の鬼が登場します。この「鬼月きづき」とは何でしょうか。台湾では、旧暦の7月を「鬼の月」と言うそうです。この場合の「鬼」とは先祖のことですから、台湾の「鬼の月」は、日本でいうところのお盆です。一方、鬼滅に登場する12の「鬼月」というのは、6の「上弦」と6の「下弦」に分かれていて、これは、おそらく月の満ち欠けに関係しています。その場合、6+6=12という数は何を意味するのでしょうか?古代日本の冠位が「12階」だったことに関係するでしょうか?それとも、たんに1年が「12ヵ月」であることに関係するのでしょうか?ちなみに、上弦の月は1年間に12回、下弦の月も1年間に12回、それぞれ夜空に昇るのですから、そこから考えれば、上弦と下弦の合計は24でなければならないはずです。これに対して、上弦6+下弦6=12という鬼月の数には、もっと別の由来と意味合いがあるはずです。月は、太陽とは対極的な意味をもつ天体であり、もともと太陽をはげしく嫌う鬼は、ちょうどドラキュラや狼男と同じように、月にこそ親しい存在なのだと考えられます。しかし、たとえ同じ月であっても、その満ち欠けに比例して太陽の影響を受けています。つまり、望の月(満月)は、太陽光を全面に浴びていますが、朔の月(新月)は、太陽光を完全に遮断しています。そして、上弦の月や下弦の月(半月)は、いわば、半分だけ太陽光を遮断しえている状態です。おそらく、このような太陽との関係が、「鬼月」と呼ばれる鬼の階級にも反映しているのです。◇月の周期は、およそ4週間です。最初の7日間で、朔(新月)から上弦(半月)になり、つぎの7日間で、上弦(半月)から望(満月)になり、つぎの7日間で、望(満月)から下弦(半月)になり、最後の7日間で、下弦(半月)から朔(新月)になります。そして、月初の7日間のうち、1日目は月がまったく隠れている新月ですので、この新月を除いて、上弦より細い月が出ているのは6日間ということになります。同じように、月末の7日間のうち、7日目は月がまったく隠れている新月ですので、この新月を除いて、下弦より細い月が出ているのは6日間ということになります。このように月初と月末の合計12日間に現れる、半月よりも細い6段階の月、すなわち、太陽の光を半分以上遮って闇の割合が上回った月のことを、おそらくは「鬼月」と呼んでいるのです。下位の鬼たちが、いまだに太陽を浴びて膨らんでいる月だとすれば、上位の鬼=鬼月というのは、太陽を拒絶して細くなった鋭い形の月なのであり、上弦と下弦それぞれ6段階の細さの月が、あわせて12の鬼月の階級に対応しているはずなのです。…では、太陽光を完全に遮った「朔=新月」に対応するのは何か?いうまでもなく、それこそが鬼舞辻無惨きぶつじむざんです。◇気象予報士の森田正光は、映画『無限列車編』における魘夢えんむとの戦いのとき、夜空には、下弦から細くなっていく「月齢23」の月が出ていた、と述べたうえで、それを、「1916(大正5)年11月18~19日の夜」と推測しています。これは旧暦でいえば、10月23~24日の夜です。ちなみに月の周期は、厳密にいえば 7×4=28日よりも長く、平均でおよそ29.53日ですから、旧暦において下弦の月が現れるのは、毎月21日ではなく、それより少し後の23日ごろになります。かつては各月の23日に、下弦の月を拝むための「二十三夜講」もおこなわれました。このことから、十二鬼月・下弦の壱である魘夢との戦いは、旧暦でいうところの10月23~24日の夜、下弦よりも細い月のもとで行われた、ということになります。陰暦では、毎月1日(月立ち=ついたち)が新月なので、2日から7日までの6日間に上弦より細い「鬼月」が現れ、15日から16日ごろに満月となり、24日から29日までの6日間に下弦より細い「鬼月」が現れることになります。カレンダー 2026 月暦 文字月表 カレンダー 2026年カレンダー カレンダー 令和8年 壁掛けカレンダー 月の満ち欠け 潮の干満 【金具不使用】価格:1,320円(税込、送料別) (2025/7/19時点) 楽天で購入 ポチッと押すと他のブログも。☆「9柱」の由来鬼の上位にいるのは「12」の鬼月ですが、鬼殺隊の上位にいるのは「9」の柱です。この9という数字は何を意味するのでしょうか?一般に、柱といえば、建物を支える木材であると同時に、神々を数えるときの数詞です。したがって、おそらく鬼殺隊の9柱は、仏教ではなく、日本古来の神道に関連しているはずです。ただし、一口に神道とはいっても、日本の神々はけっして一枚岩ではありません。このうち「9の柱」と言ったときに思い出されるのは、とりわけ出雲の周辺にいた神々です。◇伊勢神宮に代表される神明造は「横長」の建物であり、住吉大社に代表される住吉造は「縦長」の建物なのですが、出雲大社に代表される大社造だけは「正方形」の建物であり、それは3:3:3の「田」の字型に並べられた9本の柱で支えられます。もともと出雲周辺には、これと同じ構造の建築物の遺跡が多く、いわゆる「金輪御造営差図かなわのごぞうえいさしず」に描かれた古代出雲の巨大神殿も、やはり9本の柱で支えられていたと考えられています。かりに9本の柱が出雲の神々であるとするならば、それは大和王権の成立以前から日本列島に存在していたわけです。そして、出雲から大和への「国譲り」の歴史を踏まえれば、それは、鬼を退治した神々というよりも、むしろ大和王権によって退治された神々だったといえます。【中古】 古代出雲大社の復元 失なわれたかたちを求めて/大林組プロジェクトチーム(編者),福山敏男価格:1,331円(税込、送料別) (2025/7/19時点) 楽天で購入 ポチッと押したら他の情報が!☆「鬼舞辻」の由来「鬼舞辻きぶつじ」という姓を文字どおりに解釈すれば、それは鬼たちが舞う東西と南北の通りの交わる場所を意味します。その場所がどこなのか明らかではありませんが、とりあえず思い当たるのは、京都の「二条大宮の辻」です。これは、その名のとおり二条大路と大宮大路がまじわる交差点で、ちょうど平安京大内裏の東南角に位置していて、通称「あわわの辻」とも呼ばれています。藤原常行や安倍晴明は、ここで百鬼夜行に遭遇したといわれているのです。図説 百鬼夜行絵巻をよむ (ふくろうの本/日本の文化) [ 田中 貴子 ]価格:1,980円(税込、送料無料) (2025/7/19時点) 楽天で購入