NHK大河「青天を衝け」第28話。神回。
NHK大河「青天を衝け」第28話。いわゆる「神回」だったと思います。ほかにもそう呼ぶべき回はあったけれど、あえて、この第28話を「神回」と認定したい。◇いよいよ新政府へ出仕するという大きな転機。実質的な明治編の始まりになる回です。裏を返せば、ここから先は完全な近代劇なので、もはや大河ドラマの本流に反し、完全に時代劇ではなくなってしまう。普通に考えるなら、それは大河にとって大きなハンデとなるはずです。しかし、むしろ面白くなっている。とくに大きな事件が起きるわけでもなかったけど、何故こんなにも味わい深くて、面白いのだろう。◇大倉孝二の演じる大隈重信とのコントに笑い、草彅剛の演じる徳川慶喜との対話にじんとしました。そして、きわめて効果的に差しはさまれる回想シーン!!この作品では、ひとつひとつの回想に深い意味があって、それが絶妙なタイミングで蘇ってきます。なぜ千代は平九郎にあんなことを言ってしまったのか。平岡が栄一に託した希望とは何だったのか。無謀にも馬で走る慶喜を追いながら、大声で「渋沢栄一です!」などと名乗った意味は何だったのか。そういうことの一つ一つが、必然的な因果として思い返される。よくある民放のクソドラマのように、たんなるお涙頂戴と埋め合わせのための回想ではありません。回想シーンとはこうあるべき、ということを学んでほしいですね。◇そして、わたしとしては、朝倉あきが美しいのもうれしい。朝倉あきが松坂慶子になり、大倉孝二が高橋英樹になるのでしょうか?…ちなみに大隈邸は、朝ドラのときよりもだいぶ広い感じがします。早稲田大学のサイト によれば、明治元年から4年までの大隈邸は、5,000坪もある広大な築地の屋敷(いわゆる築地梁山泊)で、その後、有楽町→神田→飯田町→早稲田へと引っ越したそうです。