バタフライ・エフェクト:RPGを彷彿させるSF恋愛映画
「カオスな系では、初期条件のわずかな差が時間とともに拡大して、結果に大きな違いをもたらす」というカオス理論をモチーフに…とはいうもののどちらかというとRPG的というかライトノベル的という感じが。個人的にはそこまで…と思うものの、SFとして、青春恋愛映画として評価の高い作品。【あらすじ】幼い頃から度々記憶を失っていたエヴァンは、治療のため日記をつけ始める。13歳の頃、エヴァンは幼なじみのケイリーたちと悪戯をして大事故をひき起こすが、その瞬間も彼の記憶は空白だった。やがてエヴァンは引っ越すことになり、虐待傾向のある父と乱暴な兄トミーと暮らすケイリーに、「迎えにくる」と伝え残す。時が経ち、大学生となったエヴァンは、記憶を失うこともなくなっていた。しかし、昔の日記を見つけた時から、エヴァンの意識に変化が起きる…【レビュー】人生に「もしあの時…」ということはありえない。とはいえ、きっと誰もが考えたことがあることだろう。しかしもし仮にその時代に戻れたとして、都合よく、ある事象だけを変えるなどということはできないのだろう。主人公のエヴァンは幼少期から時々記憶をなくしている。しかしそれは「忘れたほうがいい」記憶だったのかもしれない。エヴァンはその過去を取り戻そうとし、必ずしも幸福ではない現在を書き換えようとし、過去に干渉しようとする。うまくいかないからある時点に戻って、その出来事を書き換える。それでもうまくいかなければまた違う時点に戻ってその出来事を書き換えようとする。それはまさにRPGのように。しかし「うまくいくための」初期条件はどこにあったのだろうか。→続きを読む