コシヒカリは本当に美味しいのか?
「日本一美味しいお米は?」って聞くと、多くの人は「魚沼産コシヒカリ」っていいます。 でも本当にそう思ってるのかな? で、その他の地域で生産されたコシヒカリのセールスコピーは「魚沼産を超えた美味しさ」なんて書いてあります。 さらに、コシヒカリじゃない品種につくコピーは「コシヒカリを超えた……」 まあ、ようするに、世の中のお米事情は魚沼産とコシヒカリを中心に回っているみたい。 実際、農業試験場で新品種開発に取り組むときも、この2つを過敏に意識してきたような帰来があります。 しかし、『今日はこの米! コシヒカリの子孫たち』(西島豊造著、日本放送協会出版刊)という本によれば、最近はちょっと違ってきたようです。というのも、「魚沼産コシヒカリが美味しくない」という人が徐々に増えつつあるといいます。 誤解の無いように、別に魚沼産コシヒカリの質が下がったわけではないですよ。まあ、偽物は別ですが。 甘みがあって、どっしりして、しかもやわらかい……。「あー、米くったぁ~」って感じがするのが魚沼産(というか新潟産全般)コシヒカリの真骨頂でしょう。でも、それが嫌という人が増えているんだとか。たぶんの食生活の変化による影響なんでしょうね。 今まではの新しい品種はコシヒカリに追いつけ、追い越せが命題でした。 でもそれでは、例え本当はコシヒカリを超える美味しさがあっても、コシヒカリというブランドを打ち破るだけのインパクトがなく、結局はコシヒカリ風というレッテルを貼られてしまった。 で、コシヒカリと同じくらい美味しくてしかも安い米となってしまう。先の本では「あきたこまち」をその代表格に挙げていましたが。 そんな動きを察知してか最近は、コシヒカリとはまったく違うものをめざして開発される米が増えている気がします。 それの発端となった米が、「ひとめぼれ」と「ヒノヒカリ」ではないでしょうか? どっちも親はコシヒカリなんですが、食べると明らかにコシヒカリとは違う食感です。「あっ、このお米コシヒカリじゃない」って普通にわかりますもの。それがわかるとお米の世界が急に広がり、楽しみが増えます。 今まで「コシヒカリって美味しいとは思えない」と思っていたけど公言できなかった人、ようやくあなたたちの時代が来ましたよ~~。 北陸はコシヒカリの本場ですから、コシヒカリを応援したいのもやまやまですが、脱コシヒカリの品種も元気頑張ってもらわないと、米の人気がどんどん下がってしまいますからね。 ちなみに、このブログでよく話題にするミルキークイーンはコシヒカリを人為的に変異させて作ったお米だそうです。ここまで明快にコシヒカリを超えたお米は他にはないでしょう。笑っちゃうくらいコシヒカリを超えていますよ。