第6話 車僕は慌ててブレーキをかけた。 "幻の天国"もろくなものではなかったが、 どうにもこちらはさっきにも増して酷な世界に繋がっている気がしてならなかった。 僕は恐ろしさが込み上げ、Uターンして引き返した。 そして次の瞬間。 「よくも俺たちを・・・・・」 前方から血を流して恐ろしい形相で向かって来るのは2人の青年。 僕はあっけにとられ、その場に凍り付いた。 次に、異常に胸の辺りが苦しくなってきた。 気づいたら僕の胸と腹の2ヶ所にナイフが刺さっていた。そこから止めどなく溢れる赤い液。 2人の青年は不吉な笑みを浮かべ、消えた。 間も無く僕は意識を失い、倒れ込んだ。 …僕は体が重くなり、地へ降りて行く夢を見ている。 果たしてそれは夢であり、僕は目を覚ました。 今日は朝っぱらからテスト。 学校があると言えどもやっぱりなんだかんだで土曜なわけで、体の感覚が平日どおりの時間に起きるのを拒否している。 ボーッとしながら自転車をこいでいたわけだが、小中学生が道中に居ないのは気楽。 いつものように、道全体に小学生がいたら一人轢いてもおかしくない状態だった――― ―――いや、気付いて後ろを見たら、若い男を3人くらいもう既に轢いていたらしい。 がしかし、遅刻しそうだったのでそんなことは気にも留めず、 血をどくどくと流してる青年を後ろに僕は必死に学校へ向か……うわけにはいかない。 僕は引き返して青年に近付いた。 …やはりそのうち2人には意識が無く、1人が辛うじて起きあがった。 僕はその青年に話しかけてみた。 青年は血を流しながら僕を睨み付けた。 「俺の友人に何しやがんだ…!!」 なんだろう。異常に胸の辺りが苦しくなってきた。 気付いたら僕の胸にはナイフが刺さっていた。そこから止めどなく流れる赤い液。 青年は不吉な笑みを浮かべていた。 間も無く僕は意識を失い、倒れ込んだ。 …僕は体が軽くなり、天へ昇ってゆく夢を見ている。 …僕は何処か見たことのある空間に立たされている。 前に道があったので少し歩いてみると、先方から車が走ってくる。 中をよく見ると、30代ぐらいの男性が3人乗っている。 そしてその車が僕の横で止まったと思った瞬間、3人の男は一斉に僕を車内に引きずり込んだ。 僕は抵抗する間も無く運転席に座らされた。 |