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1979年8月 ロンドンにやってきた 2


私は出発前夜の興奮と疲れもあり、離陸後すぐ睡魔に襲われ、寝てしまった。
多分、飛行機のエンジンの音が大きくなったせいだと思うが、気がつくと飛行機は着陸の態勢に入ってすでにかなり低いところにいた。
窓の外を見ると、なんか日本の終戦後の光景を思わせるような、全トタン製の小さな家がいくつも並んでいる光景が飛び込んできた。
今思うと、それらの家の壁は少なくとも木作りだったのかもしれないが、私には、その時の一抹の懐かしさを伴った衝撃が、全トタン製となって思い出されるのかもしれない。
その家々の小道には、中国の国民服を着た男性が、私が子供の頃によく見た、黒いがっしりとした自転車に乗って走っているのもはっきり見えた。
飛行機は、その家々のすぐ横を滑るように着陸し、東大寺の大仏殿をさらに大きくしたような建物にゆっくりと近づいていった。
記憶違いかも知れないと思うが、今、考えてみるとイメージとしては東大寺の大仏殿が近かったような気がする。
柵もなにもない???。
どこなんだ、ここは?
続く



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