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午前中の授業も終わり、お昼時間に外に出てみた。
とりあえず、お腹が空いたのでどこか食べるところを探しに学校周辺を歩いてみた。 先ほど出てきた地下鉄の駅前を通り過ぎ、トトナム・コートロードの交差点を右に曲がって数歩歩いたところに、ハンバーガー屋さんを見つけた。 ここで思い切って中に入れば、その看板に出ているようなジューシーなハンバーグにありつけるが、ここで一つ大きな難題にぶち当たった。 日本を出るときに何気なく空港で目に留まったエチケットの本、やはり外国に行くのにその土地の習慣を何も知らないで行くのも気が引けると思い買ってしまった。 それは、サトウサンペイ氏の漫画で解りやすく海外の習慣や食事のエチケットそしてマナーについて面白おかしく解説してある本だった。 その本に、外国ではレストランで食事をするときはチップを払う習慣があり、これを怠るとチップを当てにして一生懸命あなたにサービスをしたウエイターやウエイトレスを怒らせると書いてあった。 そのページには、ご丁寧にチップを支払うことを怠った主人公がレストランのお客の前でウエイトレスに罵倒されている絵まで載っていた。 さて現在私のおかれている立場だが、とりあえず入りたいレストランは見つかったものの、私の頭の中は「この人たち、チップはいくら払っているのだろう?」という疑問で一杯だった。 そのレストランは、通りに面しているところがガラス張りなので、そこからレストラン内が良く見渡せた。 中は結構広く、結構大き目のテーブルを真ん中に挟み3人がけの長椅子が両側に並ぶ6人掛けのテーブルが8組位あった。 更に目を凝らすと右奥にレジのカウンターがあり、皆そこでお金を払っているようだった。 お金を払っている人たちを見ていると、伝票をレジに渡してお金を払っているようだがその横に丸くて白いどんぶりみたいな物があり、会計を終えた人たちはそこに何かを入れてから店を出ているようだった。 私はお客の支払う動作を店の外から何回も観覧しながら、お客はレジカウンターの丸くて白いどんぶりにチップを入れているらしいと確信がもてるようになってきた。 その頃までには、私の空腹も限界に達しており、だんだん腹が据わってきた。 とにかく中に入り、なるべくレジの近くに座って食べるものを食べてからチップの件を観察するように決めた。(ここまでで多分30分は考えていただろうと思われる) 私は思い切ってドアを開け、中に入るとウエイトレスが近寄って来て私をレジからちょっと離れたところに案内した。 言葉が出来ればレジの近くを希望することができたのだが・・・と残念に思いながら案内された席に座った。 ここからレジのカウンターを見ると、外から見るよりはより近くで観察は出来るが客がチップをいくら入れているか?迄は判別が付かない。 とりあえず、ウエイトレスにメニューの写真を指差しお皿にハンバーグと目玉焼きとソーセージそしてチップス(ジャガイモを短冊に切って油で揚げたもの)がのっているものそして紅茶を頼んだ。 お腹が極端に減っていた私は、あっという間に全てを平らげて一息ついた。 さてこれからが問題の支払いである。 先ほどまで満員に近かった店内もお昼のピーク時が過ぎたためか、お客もチラホラいるだけでなかなか支払いにレジまで進んで行かない。 私は、午後の授業がもうすぐ始まる時間であるため焦っていた。 もうこれ以上は待てない! 私は思い切って伝票を持ち立ち上がってレジに歩いていこうとすると、私の隣の席のお客が私の前に立ち上がりレジに歩いていった。 お陰で私はその人がレジでお金を支払う一部始終を間近で見ることが出来た。 その人はただ単にお金を支払った後、おつりの小銭のいくらかをどんぶりに入れただけだった。 なんて事は無かったのである。 後で分かった事だが、チップの本当に煩い国はアメリカであり、特にニューヨークはチップが生活を左右するらしいことが分かった。 イギリスでは、心配したほどチップが煩い国ではないらしく、どうやらこれは私の取り越し苦労だったようだ。 私は支払いを済ませ、急いで午後の授業に戻った。 とんだお昼の冒険タイムだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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