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牧内直哉≧仁楽斎の「フリートークは人生の切り売り」

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2006年04月12日
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カテゴリ:映画
クラッシュ』(上映中:高岡TOHOプレックス)

誰が主役というわけではなく、全ての登場人物にドラマがあり、それが一つの作品として繋がっています。アメリカが自由と平等の国を強調するのは、裏返せば自由と平等の国ではないということです。差別や迫害、偏見はどこの国にもあることですが、特にアメリカは白人と黒人がいるだけではなく、移民もいて、そのまま○○系のアメリカ人になる人もいて、そうなると、ナショナリズムをバックボーンにしたアイデンティティは当然生まれてきて、人間は誰もが聖人君主ではないから、すぐに意味のない優劣で偉そうにしたり、差別したりするのでしょう。でも、映画はそのことを直線的に否定しているのではなく、アメリカ(特に舞台となっているロサンゼルス)ってこうなんだよ…ということを、差別する側&される側の心情からリアルに描いているだけだと思うんです。だから、共感する人も多くて、アカデミー賞作品賞に結びついたのではないでしょうか。

差別や迫害、偏見を受け続けている人は、どうしても不幸の積み重ねで考え方がネガティブになり、視野も狭くなってしまうのでしょう。そんな人たちがたくさん登場します。そのうちの1人ペルシャ人の老人は、もう人のことが信じられないのか元々そうなのか、全く人の話を聞きません。僕が観ていても「少しは話を聞きなさいよ」とイライラします。その結果、逆恨みで鍵屋さん(これも差別を受けているが、その中でまっとうに生き続けようとしている黒人)の家に向かうのですが、このシーンでは「お願いその不幸だけは観たくない!」と思い続けて(声も出ました)いると…。へへへ、さすがのその後は秘密ですよ。

ラストで強盗の兄貴分の黒人が東南アジアからの不幸入国者に吐く台詞は、いろんな受け止め方が出来るけど、この映画の本質的な部分だったのではないでしょうか。是非、ご覧頂きたい作品です。星

ナニー・マクフィーの魔法のステッキ』(4/15~:ファボーレ東宝)

原作はクリスチアナ・ブランドの『ふしぎなマチルダばあや」という物語ですが、これってイギリスじゃ有名なんですがね。これにエマ・トンプソンがほれ込んで、脚本も主演も担当しています。『ブリジット・ジョーンズの日記』や『ラヴ・アクチュアリー』と同じ製作会社の映画で、キャストも結構かぶってますが、いずれも実力者ぞろいで質の高い映画に仕上がっています。「ナニー」というのは、子供たちの世話をする家政婦さんみたいなものと説明すればいいかな。

観ていれば、どうなるのが一番幸せか誰にでも解りますし、実際にそうなる(どうなるのよ?)のですが、「なるようになる幸せ」ってのもいいもんですね。最初はどうしようもなくひどかった子供たちが成長していくにつれ、主人公マクフィーの顔が奇麗になっていきます。「これってどういうギャグなのよ」と思いつつ、シリーズ化されればお約束の楽しみですよね。そう、僕は次回作も期待しているのです。是非ヒットして欲しいのですが…。老若男女楽しめる作品ですよ!星

連理の枝』(4/15~:ファボーレ東宝、高岡TOHOプレックス)

言っちゃいましたよ、爆弾発言(まぁ反響が大きければビビるし、何もなければ寂しいし…)。でも、ジウ姫の親友役(ソ・ヨンヒちゃん)の方がかわいいんだもん!軽いコメディタッチでスタートして、テンポ良く恋愛に展開していくが、ジウ姫は不治の病に冒されていて余命いくばくもない。しかし、彼女は余生を謳歌しようと明るく振舞うのだが…。韓国映画の王道のようなストーリーです。

「連理の枝」というのは、2本の木の枝が触れ合う中で1本の木になる、その枝のことを言うのですが、なるほど愛し合う2人の関係は、そうだといえばそうですな。でも、これで泣くかな?製作者サイドも、泣き泣き映画には作ってないような気がするのですがねぇ。実際にコメディの部分は楽しいですよ。





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最終更新日  2006年04月21日 01時29分02秒
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