牧内直哉≧仁楽斎の「フリートークは人生の切り売り」

2009/09/04(金)03:30

シネマの細道 『火天の城』

映画(909)

※FMとやま『シネマの細道』 2009/9/2放送分紹介作品(2) 『火天の城』 (9/12~:TOHOシネマズファボーレ富山、TOHOシネマズ高岡) 公式サイト:http://katen.jp/ 織田信長の命により安土城築城の棟梁を任された宮大工・岡部又右衛門の、 築城にかける姿と、周りの人々の思いも丁寧に描いた大作映画です。 安土城は五層(七階)の壮大な城で、信長の天下布武の象徴の一つでしたが、 築城に3年(これは早いのです)、そして、築城後3年で消失してしまいました この辺りをオープニングで小林清志さん(多分)の声が説明していきます。 おぉ、なんか楽しみじゃんと、ツカミはOK この映画、主役は又右衛門で、西田敏行さんはいつも通りお上手なのですが、 僕の目は椎名桔平さん演じる織田信長に行きっぱなしでした。 当時を描こうと思ったら、エピソードは信長のものが中心になるしかない。 でもって、椎名さんがハマリまくってました 田中光敏監督とは『化粧師』で組んでますね。あれも面白かったなぁ。 信長も秀吉も家康も、それぞれ別の大きさを持っていたと思います。 僕はトータル的には秀吉に一番憧れますが、大きさでは信長は別格なのかも。 短気で恐ろしい面もありますが、 海外の文化や新しい物への好奇心を持ち、慣習に捕らわれず道を切り開く。 それを「うつけ」と呼ぶ輩もいたけれど、 大物というのはこういうことなんじゃないかと思わせる魅力があります。 であるからして、安土城築城を命じるに至るのですから。 又右衛門は実在する人物で、実際には息子がいたそうですが、 この物語では娘ということになっています。演じているのは福田沙紀ちゃん。 妻の田鶴を大事にせず城作りに没頭する父親を軽蔑したりなんかして、 なんだか現代サラリーマン家庭の問題を描いているような… 妻の田鶴の存在感も大きかった。 彼女は幼少の頃から「おなごは常に笑うように」と父から躾けられてきました。 女性の笑顔が絶えない家は幸せだから…ということです。 これって、今の表面的なキャリア志向の女性が聞いたら怒るのかな? でも、素晴らしいことなんじゃないかな…と。 演じているのは大竹しのぶさん。この配役にも大きな意味があります。 築城が進まず落ち込み、イライラする又右衛門は、 それでも笑顔の田鶴に「馬鹿にしているのか」と八つ当たりします。 その時、妻は…。大竹さんの十八番は健在でした どこまでが史実なのかは不明ですが、又右衛門の情熱と技術は真実で、 また、築城にあたって大勢の命が失われていたのも事実なのでしょう。 そして、そこは重要なポイントでもあると思います。 どれだけ又右衛門が優れていても、1人で城は建てられませんから それって、現代社会でも同じですよね。 ただ、映画そのものは説教臭かったという訳じゃないですよ。 あくまでも娯楽大作映画として楽しめるものだと思います

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る