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『白いリボン』
(3/5~3/25:フォルツァ総曲輪) 公式サイト:http://www.shiroi-ribon.com/ 第一次世界大戦前のドイツの小さな村。 ドクターの落馬事件から始まり、小作人の死、荒らされたキャベツ畑、そして…。 人々が静かに暮らしていたはずのプロテスタントの村で、不可解な事件が次々に…。 一言で言えばサスペンス映画です。 でも、第一次世界大戦前のドイツが舞台であることに意味があります。 これからこの国はナチズムに進んでいく。 その世界観がこの2時間24分の中に縮図となって組み込まれている。 第62回カンヌ国際映画祭パルムドール大賞受賞は、その辺りが評価されてのことでしょう。 といっても、僕はその辺のことは実はよく分かってないんですけどね。 そういうことを抜きにしても、人間の怖さが描かれていて面白かった。 …という表現は適切ではないかもしれませんが、興味深く観ることが出来ました。 ただ、誰が何者で、この子は誰の子供なのかを理解するのに時間を要しましたが…。 それと、画面の右側に縦書きの字幕が出る作品は久しぶりで少し戸惑いましたが…。 『悪人』で「誰が本当に悪人なのか…」というコピーがありましたが、 あのコピーはこの作品の方がはまっているかもしれません。 サスペンスでありながら、分からないまま終わってしまったこともあります。 戦争が始まることになってうやむやになってしまった部分もあるのでしょうが、 村の人たちも知らないまま終わらそうとしていたフシがあります。 言いたいことが言える、やりたいことが出来る、 普通に考えれば、そんな世の中が幸せに決まってます。 でも、何も知らず、何も言わず、何もしないでいるしかない時代や環境もあって、 ずっとそうしていると、そのことに疑問も感じないどころか、それが正しいとさえ思えてくる。 世の中が戦争に向かう時もそうなんじゃないかと…。 もうね、何が正しくて、誰が正しくて…なんて分からないですよ。 もう一つ。 この村では大人たちが子供たちを権威主義的に押さえつけています。 牧師が悪いことをした自分の子供たちに純真さを失わないように白いリボンを付けさせました。 それが作品のタイトルになっているのですが、そうやって押さえつけられた子供たちは…。 数々の賞は取りましたが、誰もが楽しめる作品なのかどうかはよく分かりません。 映画を観て単純に幸せな気分になりたいという方にはお勧めできませんが、 人間の怖さを感じる映画がお好きな方には是非ご覧いただきたいです。 モノクロの映像も含めて、確かに名作の雰囲気は感じました。 フォルツァ総曲輪では珍しい3週間の上映期間です。 19日(土)は22:30~レイトショーで上映されます。 予告編が普段よりたくさん観られるはずですよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年03月11日 00時52分38秒
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